2023年1月から販売が開始された新型日産 セレナ。先代は走りがイマイチだったが新型では大きく進化! 他社のライバルとなるミニバンたちと比べて最後発となったセレナはどのように進化しているのか!?
※本稿は2023年6月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2023年7月10日号
■先代の弱点を的確に補って登場した新型セレナ
ミニバンの売れ筋車種、セレナがフルモデルチェンジを行った。
注目されるのは走りの向上だ。ボディの底面に配置された基本骨格のサイドメンバーを刷新するなど、プラットフォームを大幅に改良した。その効果で走行安定性が向上している。
先代型は操舵に対する車両の反応が曖昧だったが、新型ではステアリング操作に応じて正確に進行方向を変える。峠道では旋回軌跡を拡大させにくく、下り坂のカーブでは後輪が確実に接地して安心だ。
セレナはライバル車に比べて床が70~80mm高く、走行安定性の確保では不利なボディ形状だが、新型はそこを補った。
■プロパイロットがシャシー性能を高めるきっかけに
この背景にはプロパイロット2.0の採用もある。ステアリングホイールから手を離しても運転支援が行えるから、正確に制御するため、全グレードを入念に造り込んだ。
特にプロパイロット2.0を搭載するルキシオンは、直進安定性を向上させるため、タイヤの銘柄も異なる。ハイウェイスターはダンロップ・エナセーブEC300+だが、ルキシオンはブリヂストン・トランザER33を履く。
この影響で乗り心地がハイウェイスターよりも硬い。低速で街中を走る時だけでなく、高速道路の段差でも突き上げ感が伴い、この点は改善が必要だ。
パワーユニットはノーマルタイプとハイブリッドのe-POWERがあり、今回は後者を試乗した。
発電用エンジンは、従来の直列3気筒1.2Lから直噴式の1.4Lに変更され、発電能力の向上と併せて振動やノイズも抑えている。モーターの駆動力はノーマルエンジンに当てはめると3L並みだから満足度も高い。ライバル車に差を付けている。
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