デルタやストラトスなど、数多くの名車を生み出してきたランチア。このメーカーがいよいよフル電動メーカーとして復活する。その復活を象徴するクルマこそが、新型イプシロンだ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/LANCIA
■正式発表日前にフライング公開!
正規輸入が途絶え、日本ではすっかり話題を聞かなくなったランチア。確かにその存在感は近年ぱっとせず、車両販売もほぼイタリア国内に留まる存在だった。
とはいえ、ランチアが数々の名車を生み出してきた名門であることは事実。ストラトスやデルタの走りを見て、クルマ好きになった人だって少なくないだろう。
そんなランチアは、かねてからプレミアムEVブランドとして復活することを予告していたのだが、いよいよその時が来た。2月14日に、復活を象徴するモデル「新型イプシロン」を発表するとアナウンスしたのだ。
ところが重ねてびっくり。なんとランチア自身が情報をフライングした。公式サイトとYouTubeで、新型イプシロンの姿を明らかにしたのだ。
その姿だが、全体像は同胞でもあるプジョー208を思わせるような5ドアハッチバック。とはいえフロントマスクには極細のLEDがYの字を描いており(ランチアはこれを「カリス」と呼び各車共通のアイデンティティとするらしい)、その上には誇らしげに「LANCIA」の文字が刻まれている。
後ろに回ると丸いテールランプが目に飛び込む。ランプはダックテールのように反りあがった位置に取り付けられており、名車ストラトスがモチーフとなっていることがひと目で分かる。
■高級家具ブランド「カッシーナ」とコラボ
冒頭でも触れた通り、このイプシロンはBEV(バッテリー電気自動車)だ。その細かなスペックはまだ非公開ながら、最大航続距離は403km(欧州WLTCモード)というから、前述した同胞プジョー208e(国交省WLTCモードで395km)に似た動力パッケージなのかもしれない。
だからといってイプシロンが208の兄弟車だというつもりはない。イプシロンには、インテリアという強力な武器があるからだ。
実は今回公開されたモデルも、ランチアがイタリアの誇る家具ブランド「カッシーナ」とコラボした限定モデル。名前を「イプシロン・エディッツィオーネ・リミタータ・カッシーナ」といい、ランチアの創業年にちなむ1906台が生産されるという。
その内装だが、単純に高級皮革をおごるといったものではなく、品格や洗練などを実現したうえで耐久性や循環性のある素材をチョイスしているとのこと。全体の色調はランチアのロゴマークと共通の深いブルーで統一されており、小型車ながらもイタリアンプレミアムを主張する出来栄えだ。
もうひとつ新型イプシロンの自慢は、優れたUX(ユーザー体験)だという。ダッシュボードにはインパネとインフォテインメント用2つのディスプレイが備わるが、インフォテインメント系の要素はウィジェットで入れ替えが可能で、直感的かつ多彩な情報表示が楽しめるという。
ランチアはこのシステムを「SALA(サウンド・エア・ライト・オーギュメンテーション)」と呼んでいるが、SALAとはイタリア語で「部屋」という意味だから、自室のような心地よさという意味合いも含んでいるに違いない。
従来のランチア・イプシロンは一時クライスラーブランドで販売されるなど、イタリア車としての個性を失ったかのようにも思えた。新型イプシロンには、ぜひともランチアの名を再び世に知らしめる期待の星となってほしい。もちろん日本導入も期待したいから、ステランティスさんよろしく!
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