専用ボディで弊害も!? 新型の懸念と“国民車”カローラへの期待
しかしながら、海外仕様に対するボディサイズの縮小は、後席に影響が出ているように感じる。
身長165cmの小柄な筆者(※特別、足が長いわけではない)でも、筆者が運転席でドライビングポジションを合わせると、後席の足元は、やや狭く感じる。
フロントシートが立派になり、ボリューミーな体積になった反動もあり、特にカローラツーリングは、「ショートワゴン」と言った方が近い印象を受けた。
後席からは、前席シートの下につま先が入るようになってはいるが、膝前のスペースは明らかに足りず、せめてフロントシート背面を削るなどの対策で、膝前スペースをあと半コブシ程度は増やすことができたのではないか、と感じた。
もちろん、フロントシートは、海外仕様のカローラと設計を共用化しているのであろうから、致し方ないと設計者は言うだろうが、後席への乗り込み時の間口の大きさや、足元のサイドシル段差など、後席設計を後回しにしてしまった感が、筆者の目から見て否定できない。
ということで、筆者の新型カローラ/カローラツーリングに対する評価は、「パッケージングの面で成功していない(やり残しがある)」である。
「グローバルカー」たるカローラであれば、国内向けにボディサイズを抑えながらも、「指摘されるようなパッケージング設計はすでにやっていますよ」と、華麗なる返しをしていただきたかった、というのが筆者の本音だ。
今回は試乗の時間は限られ、動的評価をするほどの時間はもらえなかったため、ハンドリングや乗り心地、音振性能、動力性能などの動的な試乗評価は、改めてお伝えしたい。
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私達日本人が“カローラ”に期待することは、「日本車のスタンダードであり続けること」だと思う。
いまや、プリウスやアクアといったハイブリッド車が、トヨタの売り上げの上位にきているため、カローラの存在感が薄くなってしまっているが、このスタンダードカーがあるからこそ、技術開発も進む。
プリウスの販売台数を逆転してトップを目指すことはないだろうが、このカローラで培ったTNGAをはじめとする技術は、国内他メーカーにとっては、脅威となるだろう。
注目の価格は、セダンのカローラが193万6000~294万8000円、ワゴンのツーリングが201万3000~299万7500円となっている。
■新型カローラ 価格表
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