【ベンツ、スカイライン、セリカ…】 世界最激戦カテゴリー2Lターボの過去 現在 未来

■メーカーの動向は?? 2Lターボは今後どうなる!?

(TEXT/国沢光宏)

 改めて考えてみたら私が所有している「エンジンで動くクルマ」はすべて4気筒の2Lターボを搭載している。

 WRX S4の場合、スポーツユニットとして使われており300ps。先代BMW330eはPHVのパワーユニットで184ps。ボルボXC60もガソリンと共用ブロック使うディーゼルの190psといった具合。今や欧州の主力エンジンを見ると、エコからハイパワーまで2Lターボです。

 なんで2Lターボなのだろう? こらもう、いろんな自動車メーカーのエンジニアに聞いたので自信を持って答えたい。「バランスがいいから」であります。

 説明するまでもなく、燃費規制のクリアは最優先課題。6気筒エンジンを搭載したらエンジン内部のフリクションが大きくなり熱効率が落ちるうえ、軽量化しようとしても4気筒に絶対かなわない。

これからの乗用スポーツはすべて2Lターボになる!?

 絶対的な排気量だけれど、大きくすると低負荷時に燃費を稼ぐことが難しくなる。かといって小さければブースト圧かかってない時のドライバビリティに課題を抱えてしまう。

 また、クルマの質感に大きな影響を与えるエンジン振動は、排気量が小さいほど好ましい。といったあたりを総合して評価すると、最もバランスいいのは2Lということになるという。

 技術の進化も大きい! 素材や形状、新しい制御などによりターボの効率がドンドン上がってきた。

 ターボの黎明期、2Lで200ps出そうとしたら、いわゆる「どっかんターボ」になってしまったが、今や200ps馬力くらいならターボラグをほとんど感じさせない。

 WRX S4に搭載されている300psですら、乗っていてターボラグでイラつくことなどありません。

 そればかりかボルボの2L 320psに代表される最新のハイパワーユニットの大半が、中高回転域でターボ。低回転域はレスポンス遅れのないスーパーチャージャーを組み合わせて使うことにより、大排気量エンジンと同じようなドライバビリティを実現している。

 いや、むしろ2Lで300psを超えるエンジンの大半が凝った技術を採用しているため、むしろターボラグを感じないほど。

 はたまた330eの如くモーターと組み合わせるケースも増えてきた。アクセル踏んだ瞬間はモーターに頑張ってもらい加速。その間、充分なブーストがかかったターボエンジンが目覚めさせる、といった具合。

 モーターと組み合わせているターボに乗ると、ターボラグという概念を忘れてしまいそうになります。遠からずモーターと組み合わせて使うのがスタンダードになる?

 今後どうなるか? 2021年秋から極端に厳しくなる騒音&燃費規制をクリアさせようとすれば、スポーツモデル(一部を除く)といえどもエンジンだけで走らせることなどできなくなるだろう。

冒頭でも紹介した新型メルセデスAMG A45。M139型直4、2Lターボは421ps、トルクも51.1kgmと超強力!

 6気筒エンジンの今後はかぎりなく厳しい。考えてみてほしい。最新の技術で2L 4気筒ターボを作れば400psだって可能。これに200psのモーターを組み合わせることで、600ps近くなります。

 となれば大排気量6気筒など不要。はたまたアイドリングや低速走行はモーターで走るようになるため、小さい排気量も意味なし。最も効率のいい排気量が求められるようになります。

 それが2L 4気筒ターボなんだと思う。おそらく車重にして1500kg以上の乗用車やスポーツモデルのパワーユニットは、すべて2Lになっていくと私は予想している。

 それ以下の車重のクルマは1500cc以下の3気筒が効率からするとベスト。

 BMWやボルボのように効率いい2L 4気筒を作り、小さいクルマには1気筒減らした1.5L 3気筒でカバーするというのが今後の流れになっていくと考えます。

 ちなみにアメリカも4気筒ターボが主流になりそうながら、排気量はかぎりなく3Lに近い。面白いですね。

【画像ギャラリー】ハイパフォーマンス系から実用系まで! いま日本で買える2Lターボエンジンモデル(高出力順)をギャラリーでチェック!!

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