カローラが販売首位奪還!!「昭和の車」 が根強く支持される理由

米国向けのカムリやシビックも予想以上に「健闘」

2017年に基準車を発売し、日本に“復活”したシビック。セダンやハッチバックの人気が低下するなか善戦。シビックに対する潜在的な需要が決して低くないことを示した

 カムリとシビックは、基本的に米国市場を主力に位置付ける車種である。このため、一時的に日本の市場では販売台数を減らしたり、姿を消したりしたこともあった。

 また、世界的な傾向としてSUV(スポーツ多目的車)に人気が集まり、4ドアセダンやハッチバックの売れ行きが不振になってきたことも、国内市場での存在感を一時的に失わせたといえるだろう。

 一方、国内の都市部においては、ドイツのメルセデスベンツやBMWが、4ドアセダンを着実に販売している。

 さらに、電気自動車(EV)の米国テスラ モデルSも目にする機会が増えてきた。明確な個性や、的確な性能を備え、造形に魅力を持つ4ドアセダンやハッチバックであれば、まだまだ販売力を備えることを、それら輸入車が明らかにした。

 市場にそうした伝統的車種の余力が残されているなら、力を注ぐことで全体の販売台数を伸ばすことができる。

 そうした思惑から、造形に力を入れたカムリと、シビックは基本となるハッチバックにセダンを加え、日本市場にも投入してみると、それなりの成果を得ることができたというのが現状だろう。

 同じことは、日産 スカイラインについてもいえる。造形をやや手直しし、プロパイロット2.0という運転支援機能を高めた技術を搭載することで、その存在を思い起こさせた。

クラウンも善戦! 現代に適合し再評価される「昭和のセダン」

「昭和の車」の象徴ともいうべきクラウン。現行モデルはスポーティ志向を強めたが、堅調に売れ、セダンに対する一定の需要があることを示している

 これにトヨタ クラウンを加えれば、4ドアセダンやハッチバックが善戦している構図も見えてくる。

 今日の人気の中心ではないかもしれないが、平成生まれのSUVやミニバン、あるいはハイトワゴンといった流行りの車ではなく、伝統的な型式を好む消費者の存在がまだあり、そこは昭和生まれの車が伝統的思考を生かしながら現代に適合させ、魅力を保持している。

 4ドアセダンやハッチバックは、車の原型として長い歴史を持ち、多用途な自在性を備えた総合力の高さが魅力だ。いろいろな用途に融通の利くことで、様々な消費者の要求に合わせられる車である。

 将来的に高齢化社会を迎えれば、背が高く座席位置の高い車はかえって乗降性に難点が生じる可能性がある。4ドアセダンやハッチバックが、改めて見直される時代が来るのではないかと、私はひそかに思っている。

【画像ギャラリー】今も生き残る「昭和の車」どれだけ変わった?? 初代と現在

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