■ダイハツ タント
●8月の軽販売“ほぼ1位”。新開発DNGAプラットフォームがキモ!
■主要諸元:全長3395×全幅1475×全高1755mm。直3DOHC、658cc、64ps/10.2kgm。WLTCモード燃費20.0km/L
■価格:124万3000~190万8500円
●タントの〇なところ
・プラットフォームの刷新で高重心のわりに安定性がいい
・左側のドアを前後ともに開くと開口幅が大きく広がる
・運転席を後方にスライドさせると車内の移動も簡単!
●タントの×なところ
・路上の大きなデコボコでは大きめの突き上げ感が発生
・チルトステアリングなどは現行型ではオプション設定
●目玉はロングスライドシート!
タントはスーパーハイトワゴン軽自動車の先駆的な存在。2003年に初代タントが発売されて人気車になり、ライバルが追随した。
背の高い軽自動車だから車内が広く、後席を畳めば自転車も積める。そのうえでタントは、左側のピラーをスライドドアに内蔵したから、前後のドアを開くと開口幅が1490mmに達する。
ベビーカーを持って車内に入ることも可能。これが最大の武器。
助手席を前方に寄せると左後席の足元空間が大幅に広がり、子供をチャイルドシートに座らせる作業もしやすい。
現行型の大きな魅力は運転席のスライド量を拡大したこと。後席へかなり近づけるから、後席の乳児などの対応もすぐにでき、乗る際、運転席へ移動しやすくなる。
ワイドに開く左側の開口部と、運転席のロングスライドシートにより、車内の移動と過ごし方がかなり快適になったわけだ。
●座り&乗り心地を向上
先代型の欠点潰しも現行型の特徴。先代の座面の柔軟性が乏しい後席を見直し、新型は座り心地を向上させた。
走行性能では、先代型は操舵に対する反応が鈍く、峠道ではカーブで曲がりにくかった。そこで現行型はプラットフォームを刷新して、高重心のボディでも自然に曲がれる。
装備では緊急自動ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ、フルLEDヘッドランプが全車に標準装着され、充実度を高めた。
ただしかぎられた価格でこれらの装備を優先して装着したから、チルトステアリングと運転席の上下調節機能は、従来の標準装着からオプションに変更された。
ライバル競争が激しいカテゴリーだけに人気の装備を割安に標準装着しないと販売合戦で負ける。装備と価格のバランス面でやや苦労している感がある。
■総括! 3モデルヒットのワケはココだ
今の若い世代は見栄や贅沢への欲求が高くない。背伸びせず自然体で生きることを好む。このスタイルがかつて贅沢を求めた中高年齢層にも広がってきたと思う。「出来のいいものがあれば、それで充分じゃないか」と。
クルマでも「背伸びしなくていい」という、そのニーズをうまくとらえた上質な「小さなクルマ」が増加中。ユーザーが小さなクルマに関心を集めるワケだ。
その代表が今回登場の3車種だ。全車に共通するのは、ボディサイズのわりに車内が広く、家族で使えて安全装備や燃費も優れていること。
各車種には個性的な特徴もあり、N-WGNはNAエンジンでも動力性能に余裕を感じる。
先代からさらに使い勝手の工夫に磨きをかけており、ボードにより二重ラックになる荷室がその代表格だ。また緊急自動ブレーキは、自転車や夜間の歩行者も検知できる。
タントは懐刀である左側のBピラーレス効果によるワイドな開口部と、大胆&便利なシートアレンジを取り入れ実用性が高い。
トールは背の高い軽自動車の空間効率を、コンパクトカーで実現したモデル。これら個性的な機能の集まりが、3台の売れる要因だろう。
●【画像ギャラリー】 もはや「新御三家」!? N-WGN、トール、タントの姿をギャラリーでチェック!
コメント
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