基本的には欧州で使われることの多い「セグメント」というクルマのカテゴリー基準。Cセグメントというと、全長が4200〜4500mmに含まれるものを指し、VWゴルフ、BMW1シリーズなどがこれに当てはまるカテゴリーだと考えておけばいい。
いま、このCセグメントの国産車が熱い。マツダ3、NEWカローラが相次いでデビューし、一気に盛り上がりを見せているのだ。特にやたらと評判のいいカローラの登場はこのカテゴリーに大きな刺激を与えることになった。
こうなると気になるのが「一番いいのはどれなのか?」ということ。本企画では、その疑問にお答えするべく日本車に対象を絞ったCセグメントの最新ランキングを展開していく。
選者は自動車評論家の国沢光宏氏と岡本幸一郎氏。両者のセダン、ハッチバックのお薦めモデル・総合ランキングを発表する。
■セダンラインナップ
・トヨタ カローラセダン
・トヨタ プリウス
・トヨタ プリウスPHV
・ホンダ シビックセダン
・マツダ マツダ3セダン
・スバル インプレッサG4
■ハッチバックラインナップ
・トヨタ カローラスポーツ
・ニッサン リーフ
・ホンダ シビックハッチバック
・マツダ マツダ3ファストバック
・スバル インプレッサスポーツ
●【画像ギャラリー】国沢氏、岡本氏の点数を合計!! 最新国産Cセグ総合ランキング
※本稿は2019年10月のものです
文:国沢光宏、岡本幸一郎、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年11月26日号
■カローラ発売で注目のCセグセダン 一番のオススメは?
まずはセダンから。冒頭で車名を挙げた6車が現在売られている日本のCセグメントセダンたち。それぞれに特徴と魅力を備えたクルマばかりだ。
●国沢光宏オススメのCセグメントセダン
「いいクルマ」の基準は人によって大きく変わってくるが、総合評価という観点で選ぶなら、もはや圧倒的にカローラだと思う。
なんたって弱点はリアシートの居住性のみ。いや、Cセグメントで納得できるリアシートスペースを確保しているのはインプレッサG4くらいなので、カローラだけの問題じゃありませんね。
ちなみにプリウス&プリウスPHVはカローラと同じプラットフォームのためカローラと同じ。マツダ3もデザイン重視でリアシート狭い。
そのほか全般を見ると、燃費と動力性能のバランスや(シビックとインプレッサG4は燃費悪い)、コストパフォーマンス(シビックとマツダ3が極端に悪いです)、などでカローラがライバルの追随をまったく許さない。
燃費やコストパフォーマンスで同等のプリウスも、自動ブレーキ性能が一世代前のままという大きな弱点を抱えてしまってます。
どんな評価軸で比べたってカローラは負けていない……どころか圧倒的に強かったりする。強いて負けてるブブンを上げたら4WD性能か。
個人的に「カローラ凄いですね!」と感じたのがハンドリング。皆さんマツダの受け売りでマツダ3をハンドリングいいと思っているようだけれど、カローラと比べたらステアリングフィールや限界特性で比較にならないです。
というか、マツダ3よりシビックのほうがいいし、それよりインプレッサは上。プリウスもカローラに届いておらず。
じゃ国沢光宏はこのクラスならカローラを買うかと聞かれたら「買わない」と答える。カローラという車名、私らの世代からすると魅力ありません。
●岡本幸一郎のオススメCセグメントセダン
基本的にはいいクルマばかりだが、そのなかでも特にいいのはカローラだ。最も気になるところがなく、いいと感じさせる部分も多い。よくできているけどつまらないなんていうこともない。
乗りやすく快適で、意のままに気持ちよく走れるので、ドライブしていて楽しい。本当に、ずっと乗っていたくなるようなクルマに仕上がっている。
その土台になっているのがTNGAであり、いち早く採用して、すでに改良も行ったプリウス系もよくできているが、カローラはさらによくできていて驚かされた。
デザインもこのなかで最もまとまりがよく、スタイリッシュだと思うし、インテリアの質感も高く、装備面でも最も充実している。アラを探せばないことはないが、本当によくできていると感心した。
シビックとインプレッサもなかなかいいクルマだ。ただし、両車ともやや気になるところも見受けられる。
シビックはセダンとハッチバックで生産国が違って、標準装着のタイヤやダンパーのサプライヤーなども異なり、エンジンがハイオク仕様かレギュラー仕様かという違いもあるのだが、それでも乗り味はかなりスポーティ。
むろんそれを狙ったのだろうが、セダンとしては、もう少しマイルドでもよい気もした。
インプレッサはもう少しエンジンに魅力がほしいところ。マイナーチェンジ版には未試乗なのだが、おそらくカローラを超えることはないだろう。
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