■スポーティさを主張するハッチバックのいいクルマはどれだ?
続いてハッチバックのお薦め車をレポート。なお、プリウスはボディ形状的にはハッチバックだが、実用的(セダン的)な使い方をされることが多いので、前項セダンの枠に入れている。
●国沢光宏オススメのCセグメントハッチバック
ハンドル握って「こらいいね!」と思えるのはカローラスポーツとリーフ、シビックハッチバック、インプレッサスポーツです。
まずカローラ。売れ筋のハイブリッドに乗ると、スポーティさに驚く。1.8Lのハイブリッド、2.4Lの普通エンジン車並みのドライバビリティを持つ。
それでいて特に燃費を気にせず乗って25km/Lくらい走ってしまう。セダンが出たのに合わせ、足回りもよくなった。
リーフはe+が出色の仕上がりです。航続距離がWLTCモードで458kmと長いだけでなく圧倒的にスポーティ。アクセル全開にしたら皆さん驚くと思う!
足回りを変えただけで筑波サーキットを1分10秒台で走っちゃう。価格は424万円と高いモノの、補助金で384万円に。
さらにガソリンより圧倒的に安価な電気を使うため、実質320万円程度のハイブリッド車やディーゼル車と同等の総合コストになる。
シビックハッチバックの魅力は「ヨーロッパ車みたいですね!」という走りの上質感だ。なんたってイギリス工場製。乗り味に決定的な違いをもたらすダンパーやシートなども欧州製だったりする。
同じスペックで作っても、欧州工場だとまったく違う味になるから興味深いです。エンジンもセダンと同じ1.5Lターボながら、6速MTで乗ると気持ちいい!
シビックのデザインが好みならよいチョイスかも。
私の好みからすればインプレッサスポーツです。ボディ剛性高く、ハンドリングに奥ゆきある。走りの質感がライバル車よりワンランク高い感じ。
残念なのはパワーユニット。燃費のいい水平対向が作れないのなら、2.5Lのパワフルな大排気量エンジンや、思い切って220psくらいの1.6Lターボなんか積んだらよかった。また、インプレッサスポーツ買うならXVを選ぶ。
マツダ3はどうかと聞かれたら、そもそも高価。燃費と走りのバランスじゃカローラスポーツのハイブリッドにまったく勝てない。走りの上質さはプリウスと同等で、それ以外のクルマに届いておらず。デザインだけでは買う気にゃならんです。
●岡本幸一郎オススメのCセグメントハッチバック
直近の改良前のカローラスポーツだったら、そこまで高く評価できなかったところだが、気になっていた部分がかなり改善されているので、やはりこちらもいいクルマだ。
通常トヨタでは1年あまりで大きな改良を行うことはないのだが、セダンとワゴンを開発してさらによいものができたので、その要素をスポーツにも盛り込んだという。
結果、走りは相当によくなっている。このクラスの世界標準と称されるVWゴルフに対しても、比肩するどころかしのぐ部分も多々あるほどだ。
また、セダンやワゴンでは選べないターボエンジンがスポーツなら選べるのもポイント高い。
一方で、カローラとは方向性は異なるが、乗っていて楽しいのがシビックだ。
1.5Lターボエンジンはかなりパワフルだし、締め上げられた足回りによるハンドリングもスポーツカー顔負け。わかりやすく、走りのよさを伝えてくる。
そのスポーティなテイストが、ハッチバックのキャラクターによく似合う。
乗り心地の微妙な硬さと、インテリアの質感や後席の居住性が少し気になるものの、ドライビングの楽しさに限れば、この顔ぶれのなかでもひときわ輝くものを持った、本当にいいクルマだ。
インプレッサもいいクルマ。ただし全体的に気になる点があるのと、やはりもう少しパワートレーンに魅力がほしいのは否めず。
直近の改良後モデルには未試乗なのだが、どこまでよくなったか気になる。
一方、唯一100%EVであるリーフは、やはり走りはさすがのものがある。モーターゆえレスポンスがよくトルクフルで、見た目はこうでも重心が低くマスが車体中央よりに集約されているので、ドライブフィールは他車とは一線を画す。
ただし、どうにも重いのは否めず、また個人的にはせっかくのEVの強みをもっとデザインやパッケージングに活かしてほしい気もしている。
逆にマツダ3は、内外装ともデザインはかなりのものだと思うのだが、肝心の走りがイマイチ。
エンジンフィールはガソリンもディーゼルも動力性能が物足りず、ディーゼルは静かで振動も小さいのはよいが、ディーゼルらしいトルク感もなく、全体的に薄味だ。
乗り心地もあまりよろしくなく、俊敏さと鈍さが共存したハンドリングも個人的には感性に合わない。期待が大きかっただけに少々残念な気がしている。
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