距離を補う秘策はロータリーエンジン! PHEVとしての活用も視野
話を戻そう。以上のようなことから、EVが環境車であるために何が重要で必要かという原点に立ち戻って開発されたのがMX-30なのだ。そこには煩悩を揺さぶるような強烈な加速はない。
ただし、これは本当はガソリン車なのでは? と疑いたくなるほどに自然な加速フィールと、EVだからこそ実現しているスムーズな加速。
そして言われないとわからない、言われても実感できないかもしれない特許技術「Gベクタリングコントロール+」は、電動モーターゆえに減速時にもより精密なコントロールが行えるようになっているのだ。
それでも航続距離200kmは短い。そこでマツダが選んだのはレンジエクステンダーというチョイスだ。
小型の新開発ロータリーエンジン(1ローター)を搭載し、発電して走るという方法。これは BMWのi3でも採用している。
ロータリーエンジンは、もともとコンパクトだし、構造上出力軸がハウジングセンターにあり、回転方向を変えずに発電機を回せるメリットがある。つまり、システム自体を軽量コンパクトにまとめることができる。
オスロー(ノルウェー)で開催されたMX-30(当時はCX-30の皮を被っていた)試乗会で、このレンジエクステンダーのカットモデルが展示されていたのでじっくり観察してみたが、新開発のロータリーエンジンは、サイド排気で左右デュアル出しのエクゾーストを集合させて1本にまとめて排気させるようにレイアウトされていた。
それ以上のことはわからないが、この新ロータリーエンジンは将来リリースされると噂されるロータリーエンジン車の礎となっているのか? 興味深いところだ。
マツダでは、このレンジエクステンダーを現在開発中で、レンジエクステンダー以外に、発電用のロータリーエンジンはそのままに発電機の出力を上げ、逆にバッテリー容量をさらに小さくしてプラグインハイブリッドとする構想もあるという。
本当に環境に優しいEVとはなにか?
何が正論なのかをマツダはMX-30で世に問うているのではないだろうか。
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