■【Part2 NISSAN編】実はWRCで日本車初勝利を飾った古豪
かつて“ラリーの日産”の異名を取ったほど、日産とラリーとのかかわりは古く、WRCが始まった1973年より国産メーカーでは最も古くから参戦していた。
その1973年のWRC開幕初年度には、ダットサンスポーツ240Zがサファリで国産ワークス勢初となる総合優勝を果たしている。
1979~1982年には2代目バイオレットがグループ2とグループ4で当時史上初のサファリラリー4連覇を達成したのも快挙だった。
その後はベースマシンを4代目S12シルビアベースの200SXにスイッチし、この200SXが1988年に挙げたアイボリーコーストでの勝利が日産にとって最後のWRC優勝となっている。
1991年、日産はベースマシンを同社WRC初の4WDターボ車として6代目パルサーGTI-Rをデビューさせ、2年目の1992年にはT・マキネンを乗せたものの、戦績的には振るわず、WRCへのワークス参戦を同年かぎりで終了している。
●初代S30 フェアレディZ240Z
快適かつ実用的なうえに安価だったことでスポーツカーの歴史を変えた初代フェアレディZは、サーキットだけでなく低中速トルクが太く、特に公道での強さが光った直6、2.4Lを搭載した240Zで参戦したWRCでも、1971年と1973年のサファリラリー優勝など意外なほど活躍。「ラリーの日産」のイメージ定着に大きく貢献した。
●2代目バイオレット
バイオレットは現在ほとんどの人が忘れている車名だが、1970年代末から1980年代初めにかけての日産のラリー黄金期を築いた1台である。特に2代目モデルはグループ2、2L直4の4バルブDOHCを搭載したグループ4仕様が1979年から1982年のサファリラリーを4連覇。この4連覇はWRC史上初の同一ドライバーによるものだった。
●4代目シルビア
シルビアは240RSが有名な3代目モデルに続き、4代目モデルもWRCに参戦。WRC参戦車は北米向けのV6、3Lエンジン搭載車をベースにしたグループA仕様で、1987年から参戦を開始。1988年にはサファリラリーで総合2位、アイボリーコーストラリーでは総合優勝を果たし、WRCで優勝した最後のFR車として名を残している。
●初代マーチターボ&マーチスーパーターボ
1982年登場の初代マーチは1985年にスポーツモデルのターボが加わって以来WRC参戦を開始し、サファリラリーでクラス優勝などの成績を残した。1988年にターボにスーパーチャージャーを加えた「R」、1989年にRのロードカーとなる「スーパーターボ」が加わってからはアクロポリスラリー優勝なども果たした。
●6代目パルサーGTI-R
4代目パルサーにトップモデルとして設定されたGTI-RはWRC制覇を目指し2Lターボ+4WDを搭載したホモロゲーションモデルである。市販車は強烈なパワーとトラクションにより加速こそ当時のGT-R並みだったものの、全体に無理があったのも否めなかった。WRCでも冷却の問題などで成績は振るわず、参戦も2年で終了した。
コメント
コメントの使い方