超実力派 ルノー メガーヌR.S.トロフィー試乗!! 筑波で「FF最速」を体感!!!

超実力派 ルノー メガーヌR.S.トロフィー試乗!! 筑波で「FF最速」を体感!!!

 日本人としては、ホンダ シビックタイプRが持っていたニュル最速の称号を抜いて「しまった」と表現したほうがたぶんしっくりくるルノーのハッチバックモデル「メガーヌR.S.トロフィーR」。

 2019年10月6日付でデビューした今回の試乗車は「メガーヌR.S.トロフィー」。サーキットでの最速を目指した「R」に対し、後部座席などを設置した、いわば「市販モデル」と表現していい一台。

 しかしながら、エンジンは「R」と同じ直4DOHC直噴ターボを搭載し、最高出力も「R」と同じ300psを発揮する。筑波サーキットで行われた試乗会でその実力に迫った!

【画像ギャラリー】その実力やいかほど!? ルノー メガーヌR.S.トロフィー試乗の様子をギャラリーでチェック!!!

※本稿は2019年11月のものです。試乗日:10月31日
文・写真:ベストカー編集部/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2019年12月10日号


■あのコーナーリングがありありと思い出せる

 草野球で会心のヒットを打った時のように、あるいは草サッカーでゴールを決めた時のように、草ドライバー(?)にも会心のコーナリングがあったりする。

 メガーヌルノースポール(R.S.)トロフィーのサーキット試乗会に参加した私は、そのコーナリングを思い出し、ひとりでニヤけているというわけだ。

ベースグレードと見た目は変わらないが、エンジンも足回りも専用チューンが施され、走りに磨きがかかった

 筑波サーキットの最終コーナー。それまで安全マージンを取って走っていたが、普通に曲がっていくだけで特徴がよくわからない。

 ならばと「ちょっと速めに進入してみるか」と試してみたら、トロフィーは目が覚めるようなコーナリングを見せたのだった。

 ストレートエンド160km/h超からちょんとブレーキ。そして、右にステアリングをきるとリアがほんの少しゆっくりと流れ、こちらも少しだけカウンターを当て修正。

 アクセルを踏めば前輪のトラクションがしっかりかかり、離せばまたゆっくりリアが流れる。

 もしかしたら集中的に練習すれば、中谷明彦さん伝説の「ゼロカウンター走り」ができるのではないかという妄想まで膨らんだ(できるとは言ってない)。

自動でステアリングを動かし、駐車をサポートするイージーパーキングアシストや後側方車両検知警報、車線逸脱警報、緊急自動ブレーキなども標準装備

 メガーヌR.S.最大の武器である4コントロール(4WS)は、トロフィーではレース/スポーツモードの時に100km/h以上で逆位相から同位相に転じる。

 後輪が前輪と同じ方向に向くことで安定性が増すのは理解できるが、流れた時のコントロール性も優れているのが確認できたのは収穫。

 リアの左右輪が、真っ直ぐ地面に張りついたまま滑っているようで、とてもコントローラブルなのだ。

 これが冒頭に述べた、思い出してニヤけるコーナリング。その代わりというわけでもないだろうが、タイトなコーナー(リアタイヤは逆位相)では後ろが踏ん張り、操縦の自由度はかぎられる。

タイヤサイズは245/35R19。手前が赤の差し色が入った標準ホイールで、トロフィー専用。奥はオプションのOZ軽量ホイール

■足を固めても乗り心地は上質

 メガーヌR.S.トロフィーは、今年4月にニュル量産FF車最速となる7分40秒100の記録を作った「トロフィーR」の流れを汲むモデルだ。今回のトロフィーは歴代初のカタログモデルとなる。

 エンジンはベースグレードと同じ直4、1.8Lターボだが、タービンのボールベアリングをスチールからセラミックに替えてフリクションを低減。

 最高出力を279psから300psに向上させている。

トロフィー専用のナパレザー/アルカンタラのステアリングを装着するインテリア。今回の試乗車は6速EDCだったが、6速MTも用意している

 足回りは限定100台が完売した「カップ」と同じセッティングで、ベースグレードに比べてバネレートをフロント23%、リア35%硬め、ダンパーも25%硬くするなどハードに仕上げている。

 しかし、縁石の上をゆっくり走って試してみても、乗り心地は決して悪くない。

 むしろ、路面からの微入力をしなやかに受け止めてくれて、上質さすら感じたほど。

トロフィーにはレカロ製のアルカンタラバケットシートが標準装備される(本国ではオプション)。一脚23.5kgで、先代よりも3kg軽くなった

 大入力にはダンパー底部にセカンダリーダンパーを内蔵した4輪HCC(ハイドロリックコンプレッションコントロール)が対応し、チープな底付きを回避する。

 乗り心地や快適性は一般道を走ってみないと本当のところはわからないが、サーキットでの速さだけを狙ってガチガチに固めたサスペンションという印象は皆無。

 このへんは「さすがルノースポール」と思うところだ。

 また、エンジンが素晴らしい。軽く、硬く、滑らかなセラミックボールベアリングの効果は絶大で、ベースグレードよりも明らかにパワフルで回転も軽やか。

タービンのベアリングをメタルからセラミックに替えた1.8Lターボエンジンはとても軽快に回ってくれる。最高出力は300psにアップ

 そのうえ専用マフラーによるスポーツ度満点の音も加わり、特別感を味わわせてくれる。トランスミッションは6速MT(最大トルク40.8kgm)と今回試乗したツインクラッチATの6速EDC(同42.8kgm)があり、EDCの切れ味も抜群だった。

 メガーヌR.S.は、心底クルマの運転が好きな人たちが寄ってたかって作っていると思わせる(実際そうだろう)のが魅力だ。こういうのを本当の「ブランド」というのではないだろうか。

●ベースグレード

279ps/39.8kgmを発生するベースグレード。6速EDCのみで、価格は448万1000円
279ps/39.8kgmを発生するベースグレード。6速EDCのみで、価格は448万1000円

●カップ

国内限定100台が完売した6速MT専用のカップ。エンジンスペックはベースグレードと同じ。価格は450万円(消費税8%時)
国内限定100台が完売した6速MT専用のカップ。エンジンスペックはベースグレードと同じ。価格は450万円(消費税8%時)

●トロフィー

300ps/40.8kgm(6速MT)42.8kgm(6速EDC)。限定ではなくカタログモデルで、6速MTが489万円、6速EDCが499万円
300ps/40.8kgm(6速MT)42.8kgm(6速EDC)。限定ではなくカタログモデルで、6速MTが489万円、6速EDCが499万円

■メガーヌ ルノースポール トロフィー
・全長×全幅×全高:4410×1875×1435mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1470(1450)kg
・エンジン:直4DOHC直噴ターボ
・総排気量:1798cc
・最高出力:300ps/6000rpm
・最大トルク:42.8(40.8)kgm/3200rpm
・駆動方式:FF
・トランスミッション:6EDC(6MT)
・WLTCモード燃費(総合):12.4(13.4)km/L
・サスペンション(F/R):マクファーソン/トーションビーム
・タイヤサイズ:245/35R19
・価格:499(489)万円
※( )内は6MT

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