アウディ プジョー ベントレー試乗3連発!! この進化に日本車は勝てる?

■注目は刷新されたプラットフォーム!! プジョー208試乗

(TEXT/渡辺 敏史)

 欧州でVWグループに次ぐ第二位のシェアを築くPSA(プジョー・シトロエン)グループ。その数的基幹車種となるプジョー208が完全刷新を受けて今秋、欧州で販売を開始した。

 最大のトピックは「CMP」と呼ばれる新しいプラットフォームを採用し、多様なパワートレーンへの対応を容易にしていることだろう。

 従来のガソリン&ディーゼルだけでなく、リアサス周りのちょっとした改変のみでBEVとしても対応できるその特性を活かして、新型には床下にバッテリーを搭載するラインナップe-208も用意される。

 日本における新型208は、このe-208に加えて1.2L 3気筒の直噴ターボにアイシンAW製8速ATを組み合わせたモデルが展開される予定だ。

独特なライト回りはこのクルマの見せ場?

 バリエーションは100psと130psが用意されるが日本仕様は100psを選択する可能性が高い。ちなみにその動力性能は最高速度が188km/h、0~100km/h加速は11.9秒と発表されている。

 e-208の方は最高出力が136ps、最大トルクは260Nmのモーターで前輪を駆動。0~100km/hは8.1秒とホットハッチ級の瞬発力を誇る。

 リチウムイオンバッテリーは床面とセンタートンネル部に配置されその容量は50‌kWh。航続距離はWLTP計測モードで340kmと、充分以上の実用性を確保しているようだ。充電仕様やバッテリー保証については未定だが、日産リーフをはじめほかのEVと同等の維持環境は担保されるだろう。

フランス生まれのプジョーらしい厚めのシート

 208のサイズは全長4055×全幅1745×全高1430mm。これは先に発表された日本仕様のトヨタヤリスよりひと回り大きく、VWポロにほど近い。車高が低くリアウィンドウも寝ているため後席環境は期待できなさそうにみえるが、プレーンなグリーンハウス形状もあって心理的な圧迫感は小さい。

 但しe-208の方はバッテリー搭載により床面が上がっており、標準に比べると前席下部への足入れ性がやや劣る。

 小径ステアリングを基に視認系を構成する内装のデザインには煩さを感じる向きもあるかもしれないが、その仕上げ質感は目を見張るものがある。

 メーターナセル内の液晶モニターにHUDのような投影画面を重ねて3D的に情報を表示する新しいデジタルクラスターはオプション的な選択肢となるかもしれないが、新型208を象徴するユニークな装備となるだろう。

最新の「i-Cockpit」を採用。コネクティビリティが重視されている

 試乗は配車の関係で130ps&8速ATのガソリンモデルが中心となった。そのグレード構成は従来と同様、16インチを履くベーシックな「アリュール」と、17インチを履くスポーティな「GTライン」というものだが、タウンスピードでの乗り心地はいずれも僅かながら硬めの印象だ。

 これはアシの動きの渋さ云々というよりも、そもそも新型208のキャラクターが敏捷性を志向するがゆえのものだろう。昨今柔らかな乗り味を強く意識するシトロエンとの差別化を明確にしようというブランディングの一環ではあるかもしれない。

 現にタイトなワインディングでは新型208、ベーシックな仕様ながらも強烈なロードホールディング性からくる安心感のもと、連続するコーナーをまったく音を上げることなくヒラヒラと軽快に駆け抜けてくれた。既に日本でもお馴染みの1.2Lエンジンは3気筒の振動癖もまったく気にならず、音の質感やパワーの伸びも心地よい。

 短時間ながらe-208にも乗ることができたが、こちらもBEVながら発進時のトルク伝達は努めて穏やかに、そして回せば加速の伸び感を感じさせるようなパワーマネージメントを仕込んでいたのが印象的だった。

 300kg近くに及ぶ重量増は持ち前の敏捷性を削ぐことなく、落ち着いた乗り味に貢献している。ラフなアクセル操作にもやすやすとトラクションを失わない辺りからも、大トルクをしっかり受け止める前脚の作り込みの巧さがうかがえる。

 この新しい208の国内発売は2020年の夏から秋の予定。ヤリスやフィットも出揃い、Bセグメント市場は価格や燃費だけでなく、質感や味わいの面においても激しい競争を迎えることになりそうだ。

リアスタイルもキュート

■プジョー 208 Allure 主要諸元
・全長:4055mm
・全幅:1745mm
・全高:1430mm
・ホイールベース:2540mm
・エンジン:1.2L 直3ターボ
・最高出力:130ps/205Nm

次ページは : ■ポルシェ開発のFRプラットフォーム採用!! ベントレー フライングスパー試乗

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