日産が2020年度に全5車種の新型車投入! 注目される「5台」の内訳は?
日産の新車ラッシュがいよいよ始まる。
2018年は新車ゼロ、2019年も新型デイズのみ1車種に留まるなど、国内市場への新車投入が滞っていた日産だが、2020年度以降、複数の新型車を国内に投入するとされている。
今後新車が増えてくるとすれば、日産ファンにとっても嬉しいニュース。実際、どのような新車を投入する可能性があるのか。以下、遠藤徹氏の取材をもとに予測していきたい。
傘下販売店にはまだほとんどメーカーからの情報が流れていないが、2019年10月から11月にかけてジューク、キューブの生産中止、年末にかけて軽自動車デイズルークスの生産調整が行われつつあり、これら後継モデルの発売やフルモデルチェンジが近いことをうかがわせる動きもある。
2020年度のフルモデルチェンジスケジュールは、デイズルークスが3月、ノート=8月、エクストレイル=11月、新規モデルは6月=キックス、12月=新型電気自動車、といったスケジュールが予想される。
販売店で得た最新情報をもとに以下、車種別にアウトラインを追ってみる。
(※2020.2.19 14:27追記:前文の一部に誤った表現があり、事実に基づき改稿しました。お詫びして訂正致します)
文:遠藤徹
写真:編集部
【画像ギャラリー】新型はこうなる!? 注目日産車の予想CGをチェック!
売れ筋ジャンルに待望新車!! 新型デイズルークス&キックスを投入


デイズルークスは、2019年3月に登場したハイトワゴンである「現行デイズ」のスーパーハイトワゴンバージョンである。
デイズのリアドアが両側ヒンジ開閉なのに対して、こちらは全高を15cm程度高くし、両側スライドドアを採用。荷物の居住性、出し入れ、使い勝手を大幅に向上させる。
プラットフォーム、エンジン、足回り、駆動系などの基本コンポーネントはデイズと同じ。得意の自動運転支援システムの「プロパイロット」の標準装備車を上級&スポーツバージョンのハイウェイスターに設定するのも同様である。
なお、新型デイズルークスは、2020年1月の『東京オートサロン 2020』に出展される可能性もあるので注目だ。

キックスは、ジュークの後継モデル。
ジュークのエクステリアデザインが尖りすぎで最初の売れ行きが良かったものの、短期間で販売が急落した反省から、スタイリッシュなボディシェルは継承するものの、シンプルで飽きの来ないデザイン志向で仕立てる。新開発のプラットフォームを採用、剛性&クオリティアップを図る。
パワーユニットは1.5L・NAガソリン、1.6Lターボ、1.2Lエンジンを発電用に使う「e-POWER」を搭載。
このe-POWERユニットは、ノート、セレナに搭載しているのと異なり、エンジン、モーターとも大幅に改良し、リーズナブルな走行、静粛性を向上させる。
プロパイロットの標準装備車も設定する。これによって月販5000台以上の量販モデルに仕立てる構えである。ライバルのトヨタ・C-HRやホンダ・ヴェゼルを超える販売実績を目指すことになる。
定番人気車ノート&エクストレイルもついに新型へ!

次期型ノートは、現行モデルがヒット作だけに大幅なコンセプト変更はないと思われる。ただ、中身はガラリと変わり、新開発のプラットフォームにパワーユニットもかなりの改善が施されている。
ボディサイズは現行の全長4100mm、全幅1695mm、全高1520mmと大差ない。ホイールベースは50mm程度延長し、2650mm程度とヤリスや次期型フィットよりひと回り大きい。
パワーユニットは、3気筒1.2L・NAエンジン、同1.2Lスーパーチャージャー、e-POWERを搭載する。このe-POWERは現行のユニットではなく、キックスと同じく改良タイプとなる。プロパイロットの標準装備車も設定する。
これによってヤリス、フィットの登録車トップセラー争いに割って入る構えとなるに違いない。
なお、新型ノートに関しては、スライドドアのグレードが新規追加されるとの情報も入っている。こちら詳細をつかみ次第、お知らせしたい。

次期型エクストレイルも、現行モデルの人気が高いのでキープコンセプトの世代交代となる。新開発のプラットフォーム&基本コンポーネントを採用するがいずれも全面刷新となる。
2020秋にフルモデルチェンジする三菱の次期型アウトランダーとのパーツ共用化を図る。メカニズム部分はかなりの部分のパーツを共用するが、ボディパネルはドア部分を除き別設計となる見込み。
パワーユニットは2L・NAガソリンと同エンジンに1モーター&2クラッチのハイブリッドを搭載する。両エンジンとも2WD、4WD&CVTの組み合わせで従来通り4WD車中心のラインアップとなる。
三菱からのPHEVユニットの供給を受け、同時に発売する可能性もある。同バッテリーは150km程度の巡行距離の実現を目指して開発を進めている。
残る1台は新規車種! 販売店も久々の新車ラッシュに期待感

新型電気自動車は先に開催した第46回東京モーターに参考出品したプロトタイプ車「アリア」の市販バージョン。
小型のスタイリッシュな4ドアクーペシェルのクロスオバーSUVレイアウトを採用。前後ツインモーターの4WDを採用しているのが特徴。
シャシー制御技術を総合的に制御する「電動駆動4輪制御技術」を実現。ツインモーターは最大トルク680Nmを発揮する。
【証言:首都圏日産店営業担当者】
2020年に新型5車種を投入する情報は流れているが、メーカーからの正式な通達はまだない。ただ、この10月から11月にかけてジュークやキューブが生産中止になっているので、近い将来これらの後継モデルが発売するのは予想できる。
デイズルークスは、グレード、ボディカラー、オプションが絞られつつあるのでフルモデルチェンジが近いのはほぼ間違いない。
ノートは現行モデル発売後7年、エクストレイルは6年が経過しているので、すぐにでもフルモデルチェンジしてもおかしくない状況にある。
ただ、1年間で5車種もの新型車を発売して売り切れるのかという懸念がある。いずれにせよ、これまで新型がまったくなかった年が多かったので楽しみではある。