三菱がEV生産を台湾鴻海(ホンハイ/フォックスコン)へ委託するという報道が飛び交っている。それが事実だとすれば衝撃だが、夢も広がる。鴻海はいろんな車台や電池を持っているから、日産ルノーアライアンス以外のモデルだって作れるからだ。だとしたら希望するのは手頃なコンパクトEV。名車ミラージュサイボーグをEVで復活させてよ!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:鴻海、三菱自動車、ベストカーWeb編集部
アンドロイドOSの世界をEVでかなえる
これまでは「日産の提携候補」として語られることの多かった鴻海だが、三菱と協議を進めていたとは驚きだ。
とはいえ両社の現状を考えれば「なるほど」と思えてくる。EVが停滞局面にある中、三菱はより収益性の高いEV生産手法を模索しているだろうし、鴻海は生産を引き受けるはずだった米ローズタウンモーターズやフィスカーといった新興勢が破綻し、成長のタネを探していたからだ。
両社がどんなクルマを作るかという話のまえに、まずは鴻海のビジネスモデルを頭に入れておきたい。鴻海はスマホの受託生産で成長した会社だが、スマホの伸びが鈍化するにつれて次なる事業を検討し始めた。その一つがEVの受託生産だ。
鴻海は2020年、「MiH(モビリティ・イン・ハーモニー)」というオープンプラットフォームを立ち上げた。
これは世界600社超(※発足時)の企業が傘下するEVの開発基盤で、多彩なスマホを生み出すグーグルのアンドロイドOSの仕組みに近い。「EVが作りたい」という企業はこの基盤から車台やソフトウェアを選び、独自機能も加えて新型車が作れる。鴻海はその生産を引き受けて利益を得るというわけだ。
【画像ギャラリー】エリマキトカゲもすごかった当時のミラージュの姿はこちら!(12枚)画像ギャラリー前後モーターで4WD化、システム出力300psなんてどう?
これまでの報道によれば、三菱自動車は上記MIHのシステムでEVを作ると思われる。一説によればセダンが有力だといわれているが、ベストカーWebとしてはぜひコンパクトEVを作ってほしい。価格が手ごろなVは世界中で求められているが、利幅が薄く独自開発が難しいからだ。
三菱のコンパクトカーといえばミラージュしかないだろう。現在のミラージュはタイ生産の安価な実用車という位置付けだが、かつては175psを誇るMIVECターボを搭載する「サイボーグ」を擁し、シビックとホットハッチの座を争った名車。その鋭い走りを、EVで復活させるのだ!
鴻海と組むとなれば、アライアンス関係にあるルノー/日産の枠組みから自由になれるはず。ルノー/日産はすでにCMF-BEVやAmpRなどのEVプラットフォームを持っているが、その縛りを超えた商品企画も可能になるのだ。
三菱のコンパクトなのだから前後モーターを備えた4WDとし、制御にはS-AWC技術を盛り込んでほしい。高出力モーターの組み合わせでシステム出力300psなんてどうだろう。ベースモデルまでこの仕様である必要はないが、GRヤリス的な位置付けとすればブランドイメージの牽引役となるはずだ。
ともかく、三菱と鴻海の提携は三菱車のラインナップに新風を吹かせるはず。正式発表を楽しみに待ちたい!
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