RAV4 、カローラ、アルファード、トヨタの“強車”たち その強さの秘密と弱点は??

■アルファード&ヴェルファイア(2015年1月登場)

アルファードのほうがヴェルファイア以上のハデ顔になった現行型

●強さの理由

 ボディの大柄な3列シートミニバンで、全幅が1800mmを超える3ナンバー車では、アルファードの登録台数が最も多い。人気の理由は徹底的な豪華指向だ。

 背の高い大きなボディは存在感も強く、フロントマスクを派手に仕上げた。現行型は2015年に発売され、2017年まではヴェルファイアが多く売れたが、2018年以降は逆転している。

 アルファードの顔立ちがヴェルファイアよりも力強くなったからだ。まさに顔で売れるミニバンだ。

 内装もインパネなどを豪華に仕上げ、特に2列目シートは座り心地、乗り心地ともに極上。スポーティになったクラウンから乗り替えるユーザーも多く、日本を代表する高級車になった。

●弱点

 2列目は快適だが、3列目は左右に跳ね上げて畳むから柔軟性が乏しい。床と座面の間隔も不足して、足を前方へ投げ出す座り方になる。外観を立派に見せ、乗員の見晴らしも考えて床と天井が高いから、乗降性はよくない。

●直近6カ月の販売台数 ※アルファード・ヴェルファイアの合計

 5月 8037台 → 6月 8036台 → 7月 9587台 → 8月 6693台 → 9月 1万1台 → 10月 7351台

ヴェルファイア

■クラウン(2018年6月登場)

15代目となる現行クラウンは、ニュルで走行性能を鍛えた。もはや「オヤジ車」ではない

●強さの理由

 クラウンは国産乗用車では最も長い伝統があり、知名度も抜群に高い。上級セダンに位置付けられ、内装の作りはていねいで、後席の居住性も快適だ。

 その一方で国内市場を重視して開発されたから、全幅は1800mmに収まり、最小回転半径は2WDの売れ筋グレードが5.3mとなる。全長は4910mmと長いが、混雑した街中や駐車場でも扱いやすい。

 現行型のプラットフォームはレクサスLSと共通化され、走行安定性が大幅に向上。運転感覚も楽しい。スポーティグレードのRSが用意され、外観もカッコよく仕上げた。従来のクラウンとは異なり、クルマ好きのユーザーにも歓迎される欧州車風のセダンに発展している。

●弱点

 欧州車的な性格は弱点にもなり得る。伝統のロイヤルサルーンが廃止され、柔軟な乗り心地も失われた。走りはよくなったが、メルセデスベンツに近づいてクラウンとしての個性は希薄。売れゆきも前年に比べて大幅に減った。

●直近6カ月の販売台数

 5月 2461台 → 6月 2740台 → 7月 2490台 → 8月 2326台 → 9月 3806台 → 10月 1723台

■シエンタ(2015年7月登場)

全長4.3m未満のコンパクトな3列シーター

●強い理由

 3列シートミニバンの最多販売車種。2019年8、9月には小型/普通車の販売1位になった。

 全長が4260mmに収まるコンパクトなボディで運転しやすく、全高も1700mm以下だから、カーブを曲がる時も腰高な印象にならない。

 その一方で薄型燃料タンクの採用により、3列目の床と座面の間隔も相応に確保した。大人が座っても、膝が大きく持ち上がって窮屈になる心配はない。

 発売当初はフロントマスクが奇抜に思えたが、発売から4年を経て普及すると、むしろ適度な個性と受け取られる。ノーマルエンジン車の価格は、Xが185万200円、Gは205万8100円(2WDの7人乗り)。出費の増える子育て世代の共感を呼んだ。

 インパネが上下に厚く圧迫感を伴う。後方視界もあまりよくない。3列目を畳む時に、2列目も動かす必要があって少し面倒だ。NAエンジンも燃費がいいため、ハイブリッドはその価格差を燃料代の節約で取り戻しにくい。

●直近6カ月の販売台数

 5月 7580台 → 6月 7981台 → 7月 1万739台 → 8月 8745台 → 9月 1万3558台 → 10月 9302台

1.5LのガソリンNAと1.5L HVを用意する

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