トヨタは1.5Lを直列3気筒で新開発!
その幕開けを象徴するのが、新型ヤリスに搭載される直列3気筒1.5L・NAエンジンだ。
プロトタイプに試乗をしたが、驚かされた。このエンジン、画期的なまでに素晴らしい。これまで抱かされてきた3気筒のイメージは完全に払拭されている。
不快な振動を感じることはないし、回転の上昇もスムーズ。なにより“飛び道具”なしにこれほどスムーズでトルク感たっぷりの1.5L・NAエンジンを仕上げてきたことは素晴らしい。
例えば、同じ内燃機関で技術を追求したマツダのSKYACTIV-X(排気量=2L)は、価格も高く最上級モデルに搭載されるちょっと特殊なエンジンという位置づけ。
一方、トヨタの1.5L直列3気筒エンジンは最量販グレードに搭載する売れ筋ど真ん中。数を出していかなければ総量としてのCO2排出量低減には貢献できないというトヨタのメッセージだ。当然、今後このエンジンはトヨタ各モデルに展開されていくことになるはず。
ヤリス GR-4は、直3、1.6Lターボエンジンだけど、おそらくこれとは別に、量販用として1.5Lターボも開発されているはずだ。将来的にはクラウンに搭載されるようなこともあるかもしれない。
世界の趨勢も「1.5L未満トレンド」加速
BMWは先代3シリーズに直3の1.5Lターボ搭載モデル「318i」を設定していた。現行型にもいずれ搭載されるだろう。トヨタがクラウンクラスに1.5Lターボを搭載しても不思議はない。
現在、1.5Lエンジンは直列4気筒と3気筒が混在しているが、ダウンサイズ効果を突き詰めれば3気筒が正解なのだろう。
トヨタが3気筒を選択しているのだから、おそらくそれが主流となっていくはず。ベンツの1.5Lは4気筒だが、考えてみれば「S350」に搭載される直6、3Lをベンツは新開発している。これを半分にすれば直3、1.5Lが出来上がる。
モジュラー化エンジンの考え方で見れば、そのような流れが考えられる。1気筒あたりの排気量は500cc前後がいいとされ、これがモジュラーエンジンの基本骨格となっていることから、1.5Lは3気筒、1気筒追加して4気筒で2L、さらに2気筒追加して6気筒で3Lという構成がスムーズだ。
世界的に1.5Lトレンドが来ていると改めて思い知らされたわけだが、この流れに乗り遅れてはいけない。
ホンダは、いち早く1.5Lターボを開発し、ステップワゴンをはじめ国内各モデルに搭載しているが、販売的には今ひとつ振るわないのが残念。シビックはシャシー性能も高く、トータルでの評価はとても高い。
国内では日産とスバルがこのトレンドに乗り遅れているが、果たしてどうなるか!? 今後の動きに注目したい。
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