【マツダ6、マーチ、ミラージュ…】売れていない名車たちの事情とその打開策

日産マーチ

デビュー:2010年7月
2019年累計販売台数:9343台

2010年デビューだから2020年は丸10年になる。Vモーショングリルの装着など、デザインの手直しにより質感はアップしたが、ライバルに対抗するのは難しい

 マーチは日産を代表する名車で、初代と2代目は10年近くにわたって安定して売れ続けたし、キュートなデザインの3代目には今も熱狂的なファンが多い。

 が、2010年夏に登場した現行の4代目は、新興国のエントリーユーザーを狙ったベーシックカーで、賃金の安いタイで生産を行っている。

 当然、軽自動車の素晴らしさを知っている日本のユーザーは、失望し、買い控えた。

 走りの質感は低いし、キャビンも狭い。そして先進安全装備も付いていないから多くの人はそっぽを向いたのだ。

日産は日本市場ではコンパクトカーはノートがあればいい、と考えている節がある。日産自慢のe-POWERをマーチに搭載すれば販売は伸びるハズだ

 海外では最新のマーチ(マイクラ)を販売しているのに、日本は旧型を売っている。このことも足を引っ張った。

 同じ時期に登場したアクアは今なおコンスタントに5000台レベルをキープしている。モデル末期のヴィッツやスイフトなどのコンパクトカーも落ち込みは小さい。

 基本性能の低さとデザインの悪さを指摘する人が多いから、モデルチェンジして欧州で販売している最新のマーチを日本に導入し生まれ変わるのがベストだ。

 が、その予算が出せないというのなら、シリーズハイブリッドのe-POWERをノートから譲り受け、積むのが最良の策だろう。

 デザインも化粧直しすれば、短期のリリーフなら行けると思う。

2017年に欧州では新型に切り替わったマイクラ(日本名マーチ)。歴代のイメージを覆すスポーティなデザインが好評という。なぜ日本で売らないのか理解に苦しむ

スズキエスクード

デビュー:2015年10月
2019年累計販売台数:2659台

洗練されたデザイン、高い走破性を誇る4WD、先進安全装備、買い得感の高い価格設定など大きな欠点が見当たらないエスクードだが、エスクードを選ぶ理由が希薄だ

 エスクードはスズキを代表するSUVで、世界中に多くのファンを持つ。

 誕生したのは昭和の末期、1988年だ。本格派のオフロード4WDだが、クロスオーバーSUVの性格も併せ持っていた。

 2代目以降はタフな走りに磨きをかけてきたが、その最新モデルはSX4 Sクロスと兄弟関係になり、プラットフォームなどを共用している。

 ダウンサイジングを図り、パワーユニットもスイフトスポーツと同じ1.4Lの直列4気筒DOHCターボとなった。2Lクラスの自然吸気エンジンと互角の走行性能が売りだし、オールグリップというスズキ独自の4WDの実力も高い。

 機能装備もヒルディセントコントロールや前席シートヒーターなど、充実している。

 先進安全装備も不満のないレベルだ。クルマとしての出来は悪くないのだが、ハンガリーで生産している現行型エスクードは存在感が薄い。

 SX4 Sクロスとの差別化が少ないし、デザインがスマートすぎることも販売が低迷している理由のひとつだろう。

エスクードはスズキ自慢の4WDシステムのオールグリップによる高い走破性を誇るが、ジムニー&ジムニーシエラのような武骨なまでの力強さがほしい

 日本のファンが待ち望んでいるのは、タフなイメージを前面に押し出した硬派のエスクードである。

 このジャンルは、本格派を気取ったSUVが人気だ。非日常の魅力を訴求したRAV4やエクストレイルは安定して売れている。

 だからジムニーシエラの兄貴分として、もっとラギッド感を強めたスタイルとし、メカにもこだわりを見せたほうが売れると思う。

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