通常ローンより金利も大きく優遇
残価設定ローンの金利は、メーカーや販売会社にとってメリットの多いローンとあって、低めの設定だ。
販売会社によっては、車両価格の全額を返済する通常ローンの金利は年率13%近いのに、残価設定ローンは年率6%というケースもある。
このように通常ローンと残価設定ローンの金利格差が拡大すると、通常ローンのメリットは大幅に薄れてしまう。
仮に5年間で車両価格のすべてを返済したいユーザーも、5年契約の残価設定ローンを組んで返済を続け、5年後に残価を支払うことで買い取った方が返済総額を抑えられる。
従って今では通常ローンを使うユーザーが減った。ローン利用者の80~90%は、残価設定型になっている。
金利の設定は販売会社によって異なる。ライズの残価設定ローン金利は、全般的に5~6%と低めだが、販売会社によっては3.9%の低金利も見られる。
販社によって損得勘定に差が生じる
ライズはすべてのトヨタの販売会社が扱うから、同じ条件を設定して、複数のトヨタ系販売会社から見積りを取るといいだろう。
値引き(ディーラーオプションのサービス装着なども含む)、残価設定ローンの残価率、金利の違いにより、販売会社に応じて月々の返済額に差が生じる。これを比較検討して、購入するディーラーを決めるわけだ。
さらに細かなことをいえば、同じトヨタ系販売会社でも、点検やオイル交換などの工賃が異なる。販売会社に応じて、さまざまな損得勘定に差が生じている。
いいことばかりではない
いずれにしろライズは、残価設定ローンと相性がいい。現時点で3年間の残価設定ローンを組み、返済期間満了時に車両を返却すれば、3年後だからライズの中古車流通量はまだ少ない。高値で売れるため、残価率を高めたり金利を抑えることが可能になった。
その結果、残価設定ローンでライズを購入するユーザーが増えたが、このローンには注意点もある。走行距離やキズの程度が規定の範囲に収まれば、残価は保証されるが、逸脱すると返却時に精算が生じてしまう。
特に問題になるのは、追突などの被害に遭った時だ。損傷が大きければ事故歴に該当して残価設定ローンの精算対象になるが、事故の相手方はそこまで補償してくれない。
対物賠償保険で補償されるのは修理費用のみだ。ユーザーに責任のない追突でも、精算による負担が生じてしまう。
この対策として、車両保険の新車特約(車両新価特約)に加入する方法がある。新車で買ったクルマの修理費用が協定保険価額の50%以上になった時、新車価格に相当する金額を補償するものだ。
これを原資にライズの新車を買えば、残価設定ローンの精算は防げるが、新車特約の保険料は高く、修理費用が協定保険価額の50%以上という厳しい条件も付く。
まとめ
残価設定ローンは手持ちの資金が少なくても新車を使える便利なローンだが、月々の返済額が少ないために、常に多額の債務を負担している。
車両を借りている心積りで大切に扱うことが求められ、なおかつ事故の被害に遭った時のリスク負担も小さくない。
対策として新車特約の付帯などを行えば、オトクといわれる残価設定ローンを利用するために、別の出費が生じることになる。
これらを踏まえた上で、損得勘定を総合的に判断したい。
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