ティーノ(1998年~2003年)やりたいことが多すぎて欲張ったMPV、1世代で終了
前席2+1、後席3人の6人まで乗れるハイトワゴンとして1998年に登場した、日産ティーノ。ボテッとしたムーミンのようなボディスタイルでありながら、コーナーでの走りの性能は高く、ユーザーからの支持は高かったクルマだ。
前席に3人乗車可能な「WIDE」、運転しやすい全長の「SHORT」、ゆとりある室内高の「HIGHT」という3つのコンセプトを実現し、取り外し可能な後席や、日産車で初めてハイブリッドエンジンが搭載されるなど、
いろいろな試みが詰まったクルマでもあったが、日本では全く売れず2003年に販売が終了、そこそこ売れていた欧州では、2006年まで販売が続けられた。
ティーノオーナーの間では「なぜ売れなかったのか分からない」と言われるほど、まさに名車といえるクルマであったが、「前席に3人乗れる」ということを、前面に押し出しすぎたのが失敗だったのかも知れない。実際、期待するほど広くはなかった。
エスカルゴ(1989年~1990年)奇抜なデザインだったが、どこかフランス車的な香りがする一台
とても日本車とは思えない冒険デザインの商用車、日産エスカルゴ。
バブル景気で初代シーマ、S13シルビアなどが売れまくり、絶好調だったニッサンがまさに「やっちゃえ! 」と遊び心ある勢いで開発したこのクルマは、1989年1月から1990年12月の2年間、受注生産方式で販売され、約1万600台が販売されたクルマだ。
ベース車両には、リアサスペンションが低い床を実現できるフルトレーリングアーム式独立懸架である1978年登場のパルサーバンを採用、これにより荷物の積み下ろしもしやすく、デザイン重視ながらも、使い勝手の良さでも一定の評価を得ていた。
見ると思わず笑顔になり、店の前においておくだけで宣伝効果もある、という他に類を見ない効果を持つ、まさに名車といえるクルマだ。カタツムリに似せるための妥協を許さないデザイン設計も微笑ましい。
テラノ(1986年~2002年)全幅は現行ロッキーよりも狭かった!?クロカンブームをけん引した一台
1980年代後半からのクロカンブームの真っ只中である1986年に発売された、日産テラノ。
発売当初のボディサイズは全長4,365mm×全幅1,690mm×全高1,680mmという5ナンバーサイズで、D21ダットサントラックをベースに開発されたクルマだ。
当時としては斬新なボディスタイルと、オフロードユースに必要な機能に加え、タウンユースでの快適な乗り味を考慮し、フロントサスペンションには4輪リジッド式サスペンションではなく、独立懸架式サスペンションを採用、現代の都市型SUVの先駆者として人気を博した。
しかし、バブル景気の終焉と、人気がミニバンへと移行した影響で、日本国内では2002年にたった2代で販売終了。海外では「パスファインダー」という名で、4代目にあたるモデルが、現在も販売されている。
過去のクロカンブームを牽引し、現在のSUVブームのパイオニアでもあるテラノ。トヨタのハイラックスサーフに人気を奪われがちではあったが、その走行性能は当時イケイケの日産車譲り、ということもあり、テラノファンになった方も多くいた。
まとめ
こうして振り返ってみると(あまり売れなかったかもしれないが)、日産は、チャレンジ精神を持ち、いいクルマを作り続けてきたことを、改めて感じることができる。
2020年は、国内市場への日産自動車の大攻勢が始まるという。こうした時代の日産に戻る日が来ることを、期待している。
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