スズキジムニー&ジムニーシエラがデビューしたのは2018年7月だから、1年半が経過した2020年2月の段階でその人気は衰え知らずで、長い納車待ちが続いている。
これまでも初期受注をたくさん抱えたクルマはあったが、デビュー後半年もすれば納期も落ち着いてきたが、ジムニー&ジムニーシエラはなぜ納期が短くならないのだろうか?
また、どのグレードを購入するのが最もお得感が強いのか? 長い間納車待ちして、ようやく納車したモデルが気に入らない、とならないように、ジムニー&ジムニーシエラのベストバイグレードを渡辺陽一郎氏が指南する。
文:渡辺陽一郎/写真:SUZUKI、ベストカー編集部
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デビューから1年半経過しても納期は1年を超える
軽自動車のジムニーと小型車のジムニーシエラは2018年7月に登場した。その後の納期はジムニーシエラも含めて約1年と長く、短くなる気配を見せない。直近の納期を知るために、2020年2月中旬にスズキの販売店に尋ねると、以下のような返答であった。
「ジムニーとジムニーシエラの納期は、現時点で契約されたとして、2021年の3月から4月になる。納期が1年以上だから、現時点では正確な日程を伝えられない。発売から1年以上を経過したクルマの納期が1年を超えるのは、今まで経験したことがない」と述べている。
ジムニーとジムニーシエラは、発売から1年半を経たから、納期遅延が異例に長続きしている。過去には2009年に発売された3代目(先代)プリウスも、発売直後の納期が約10か月に延びたが、半年ほど経過すると2か月前後に落ち着いた。
なぜ納期が短くならないのか?
ジムニーの納期が長い理由は、人気が高いためだが、生産規模も影響している。2019年におけるジムニーの届け出台数は、1か月平均で2523台だ。
スペーシアは1か月平均で1万3866台、ワゴンRも7504台を届け出したから、ジムニーの生産規模は明らかに少ない。もともと納期の延びやすいクルマなのだ。
販売店によると「2018年の発売直後は、ジムニーの生産台数が今よりも少なかった。当時に比べると増産したが、それでも追い付かない」という。
ジムニーが発売された直後の1か月の届け出台数は1900台前後であった。当時に比べると今は2523台だから1.3倍に増えたが、それ以上に受注が多く、納期を短縮できない状態が続く。
ジムニーの納期が長いなら、スペーシアやワゴンRのように大量生産すればいいと思うが、メーカー側の事情でいえば難しい。生産規模を一度増やすと、そのペースを継続的に保たねばならないからだ。
ジムニーが現行型にフルモデルチェンジする前の2017年の届け出台数は、1か月平均1124台であった。
仮に現時点でジムニーの1カ月の生産規模を2倍の5000台まで増やすと、数年後に1カ月の受注が1000台少々になった時、過剰な生産設備を持つことになる。先行きの受注が不透明だから、抜本的な増産にも踏み切れない。
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