ハスラーの納期も長く、未使用中古車はプレ値で高騰
ただし販売店によると、現状ではさらに困った状況も発生している。
「ジムニーの納期が長いために、タイプは違うものの、同じSUVカテゴリーに入るハスラーを検討するお客様もおられる。それなのに最近は、ハスラーの納期も長くなった。2020年2月中旬に注文を頂いて、納車されるまでに約4か月掛かる。ノーマルエンジン車に比べると、ターボの納期は少し短い印象も受けるが、大きな差はない。今後は納期がさらに延びる可能性もある」という。

ハスラーの発表は2019年12月だが、納車を伴う発売は2020年1月20日だ。従って現時点で正確な売れ行きはわからないが、月販目標は6000台とされている。
そして先代型は、登場直後の2014年に1カ月平均で8686台を届け出した。仮に新型ハスラーの売れ行きが、先代型の発売直後と同程度だとすれば、受注が生産規模を上まわって納期が遅延する可能性もある。先代型も発売直後には納期が長引いた。
納期の遅延は顧客にとって迷惑だ。今は新車需要の約80%が乗り替えに基づくから、愛車の車検期間満了の2~3カ月前から商談を開始する人が多い。
納期が長引くと、愛車の車検を取り直すといった予想外の手間と出費を要する。特に軽自動車は、短期間で納車できることもメリットだ。
ジムニーの納期が1年以上で、ハスラーも4カ月となれば、納期短縮に向けた対策を講じる必要がある。

現行ジムニーの届け出済み未使用中古車(走行距離が20km以下の中古車/新古車の呼称は今は使用が禁止されている)もあるが、価格が高い。
XCの新車価格は187万5500円(4速AT)なのに、届け出済み未使用中古車には200万円以上の車両が多い。納期の長期化を見込んだプレミアム価格で販売されている。
このような市場の混乱を防ぐためにも、納期を遅延させてはいけない。
ジムニーは上級グレードほど割安
そこでジムニーとジムニーシエラのグレード選びについても考えてみたい。
まずジムニーのエンジンは、直列3気筒658ccのターボで、駆動方式はパートタイム式4WDのみだ。トランスミッションは4速ATと5速MTを用意した。

ジムニーのグレードは3種類で、ベーシックなXG(4速ATの価格は158万4000円)、中級のXL(171万500円)、上級のXC(187万5500円)となる。
サイド&カーテンエアバッグなどは全車が標準装着する。衝突被害軽減ブレーキのデュアルセンサーブレーキサポートも、XGを含めて全グレードに装着することが可能だ。
中級のXLはベーシックなXGに、キーレスプッシュスタート、電動格納式ドアミラー、運転席&助手席ヒーターなどが加わり、価格は12万6500円高い。
上級のXCには、LEDヘッドランプ、LEDサイドターンランプ付きドアミラー、アルミホイールなども備わり、デュアルセンサーブレーキサポート(オプション価格は4万2900円)も標準装着されて、XLと比べた時の価格上昇は16万5000円になる。

XLやXCにプラスされる装備と価格上昇のバランスを見ると、上級グレードほど割安になる。そして多くのユーザーにとって、LEDヘッドランプはニーズの高い装備だろう。そうなるとベストグレードは最上級のXCだ。
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