【市販に向け鋭意開発中!! で…売れるの??】日産は「軽のEV化」に本気なのか? 

 昨年秋に開催された東京モーターショー2019で、日産が発表した、軽サイズEVのコンセプトカー「iMk」。

 日産はこれまでに「ハイパーミニ」という軽EVを出してはいるが、やや実験車的なシティコミューターとして販売しており、量販向けの軽EV開発は「iMk」が初となる。関係者によると、日産は本気でこの「軽EV」を作ろうとしているらしい。

 EVの開発・販売において、他社に先行してきた日産ではあるが、技術的に他社が追いつくのは、簡単であろう。

 では、他社には真似のできない、EVにおける日産の強みとはいったい何であろうか。そして軽をEV化する利点とは?

(編集部注/日産は中期経営計画で軽EVの市場導入(市販化)を明言しており、開発状況を取材すると2020下旬~2021年上旬頃の市販化が予想されている。

 2020年2月現在、日本には軽自動車サイズの市販EVは存在しないが、同じルノー日産グループでは三菱自動車が軽EV「i-MiEV」を市販した実績もある(現在は拡幅して登録車として約300万円で販売中)。

 こうした背景を前提として、「本当に軽EVは市販可能なのか?」、「日産に勝算はあるのか?」、「そもそも需要はあるのか?」を、自動車ジャーナリストの吉川賢一氏に伺った)

文:吉川賢一、写真:日産、ベストカー編集部

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日産が軽をEV化したいワケ

初代リーフ

 過去にリーフを一度は所有したことがある方なら分かると思うが(筆者も初期型リーフの元オーナー)、リーフをファーストカーにするには、若干、心許ないときがどうしてもある。

 現行型リーフの航続可能距離は相当伸びたとはいえ、片道300km以上の移動にはやはり不安を伴うし、急速充電器は増えてはいるものの、やはり限られている。

 「充電器マップ」などを利用して充電計画を立ててドライブに出ても、営業時間が日中だけだったり、土日は休みだったり、また、営業していたと思ったら、別の利用車で埋まっていることも多く、さらには、充電時間の課題も依然として残っている。

 となれば、遠出は内燃機関、もしくはハイブリッドのファーストカー、近くまでの買い物や送り迎えなどにはEVといった使い方が、現時点では一番導入しやすいEVの使い方だ。

 セカンドカーとして使われていることが多い軽自動車をEV化すれば、既存の日産車の軽自動車ユーザーの乗り換えも見込める。

 また、日産が是が非でも普及させたい家庭用普通充電器も活用したEV社会も、ちょこちょこ使いやすい軽EVが登場すれば、一気に拡大する可能性はある。

東京モーターショー2019でお披露目されたiMkは軽EVとして市販されるのか

 スマホを充電するように、コードレス掃除機を充電するように、クルマを家庭電源に繋いでおけば、使いたいときには常に満タンで、しかも万が一の停電時にはクルマから電気を取りだせる予備電源のような使い方が出来る。

 そうした軽EVライフを日産は狙っているのだろう。「量販EVの第一人者」を自負したい日産としては、軽のEV化は、どうしてもやりたいことなのだ。

軽EVで、日産が失敗するストーリーとは?

 カギとなるのは車両価格であろう。日産は、ユーザーから寄せられる要望へ答えるため、リーフのバッテリーを増加し続けてきた。

2019年1月に発売されたリーフe+より62kWhのバッテリーが搭載。

 最新のモデルでは62kWhものバッテリーを積み、航続可能距離はWLTCモードで458km(JC08モードだと570km)も走るまでに対策をした。

 しかし、EVの場合、航続可能距離、つまり駆動用バッテリーの容量は、車両価格に直結してくる。ユーザーの声に引きずられ過ぎてバッテリー容量の選定を見誤ることがあれば、高すぎる車両価格にユーザーは見向きもしないだろう。

 ユーザーにとっては、エコロジー(環境負荷が低い)の前に、エコノミー(経済的)の方が重要だ。

 想像力を働かせ、仮想の軽EVユーザーの使い方を想像し、適切な容量のバッテリーを決められるか、それによって日産の「軽EV」が成功するか否かが分かれるだろう。

200km走る軽EVを税込200万円で!

 筆者が考える価格ラインは、ずばり、「200㎞走る軽EVを税込200万円で!」だ。昨今、新車の車両本体価格が200万円以上する軽自動車は、決して珍しくない。

 おそらく、ユーザー側もこの200万円のラインを超えると、「この軽EVである必要がない」と考え始めるだろう。この価格で軽EVを販売できなければ、出す意味がないとも考えている。そしてこの価格は「達成可能」だと筆者は考える。

まとめ

2019年12月にマイナーチェンジしたリーフ

 リーフはファーストカーになろうとした。その結果、バッテリー容量は62kWhという大容量となり、航続距離もWLTCモードで458㎞、ざっくり東京から京都まで行けるまでになった。

 しかし、少なくとも現時点では、EVの使い方として、それは正しい使い方ではないと筆者は考える。EVにはEVの良さを生かした使い方があるはずだ。

 日産がどういった仮説を持って、軽EVの航続可能距離を設定してくるのか、日産の動向からは目が離せない。

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