【軽セダン、着せ替え車、オープンSUV…】新ジャンルに挑戦するも散ったクルマたち

コンセプトまで異業種コラボ 

トヨタのWiLL戦略
デビュー:Vi(2000年デビュー)
     VS(2001年デビュー)
     サイファ(2002年デビュー)

モッコリした前後フェンダー+クリフカットによりエクステリアデザインはかぼちゃの馬車という表現がぴったりのWiLL Vi

 1999年から2004年にかけてトヨタ、花王、アサヒビール、パナソニック、近畿日本ツーリストなどによるWiLLと名付けられた異業種合同プロジェクトがあり、トヨタはトヨタ主導で開発したWiLLブランドのクルマも販売した。

 第1弾は2000年登場のWiLL Viで、これはズバリ初代ヴィッツをベースにしたシンデレラのカボチャの馬車をモチーフにしたコンパクトカーである。

 第2段となる2001年登場のWii VSは当時のカローラランクスをベースに、ステルス戦闘機をモチーフとした内外装に仕立てたモデルだった。

デザインはステルス戦闘機というWiLLブランドで最初で最後のスポーツモデルとなったVS。現在も中古車として売られているが、目立ち度は抜群

 第3弾として2002年に登場したWiLLサイファは初代ヴィッツベースの超個性的なデザインを持つモデルなのはWiLL Viと同じだ。

 しかしサイファは通信カーナビのG-BOOKや、現在のクルマのサブスクリプション(定額使用プラン)に通じるところもある携帯電話料金のように走行距離によって利用費が課金さされるカーリースを行うといった新しさもあった。

Viがかぼちゃの馬車のようなデザインなのに対し、サイファはハロウィンのかぼちゃのような雰囲気のデザインが与えられていた

 WiLLのクルマはサイファ以外内外装の個性が強すぎたのに加え、WiLLプロジェクト自体が解散となったため短命に終わった。

 しかしサイファのG-BOOKのように将来につながるものが残ったのは救いだった。WiLLシリーズはキワモノ的に盛られがちだが、先見性とチャレンジ精神が盛り込まれていたのだ。

キワモノのように見えるWillサイファだが、G-BOOKをはじめ通信系のパイオニア的存在だった。コネクテッドが注目されているように、先見性は確かにあった!!

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