【伝統のランクルより弟『プラド』が圧倒的人気】SUV人気で問われる魅力と持ち味

ランドクルーザープラドが人気を集める訳

やや小型ながら200系ランクル譲りの本格派「プラド」。実はジープ ラングラーも全長4.9m、全幅1.9m未満となっており、プラドのほうがこのサイズに近い

 しかし、バブル経済が崩壊してからは、必ずしも威勢を張ることが価値とはならない時代へ遷り変わりはじめた。21世紀に入ると環境の時代という意識が高まっていく。

 象徴的なのは、ハイブリッド車やダウンサイジングターボエンジンの広がりだろう。高性能であっても、適切なエネルギー消費により、賢い生活を営むことが幸せであるという価値観だ。

 もちろんそのなかで、大柄な車種の魅力が失われるわけではない。大きいことによる快適さやよさも残るのは事実だ。それが、ランドクルーザーを基にしたレクサス LXという車種の誕生にもつながる。

ランドクルーザーのレクサス版といえる「LX」。LX570の価格は1135万6481円に達するフラッグシップSUVだ

 しかし、SUV人気を追う多くの消費者の目がやや小型の車種に移っていくのは時代背景とともに当然の成り行きだろう。実際、今日のSUV市場で伸びを示しているのはコンパクトSUVである。

 また、輸入車の中でも独特な存在として人気を保つ、メルセデスベンツ Gクラスや、ジープ ラングラーは、それぞれの初代が追求した本格的4輪駆動車の本質という点から、車体寸法が大きくなりすぎない範囲にとどめ、それはランドクルーザープラドに通じるのである。

 こうしてみると、現在のランドクルーザープラドは、多くの人にとってほどよい大きさの4輪駆動車であり、また4輪駆動車としての走破性能は源を辿れば本格派4輪駆動技術に支えられているとおり、乗用車から派生したSUVとは比較にならない実力を備えている。

 シャシー性能だけでなく、搭載エンジンについても、2.7Lのガソリンに加え、2.8Lのディーゼルターボの選択肢もあり、好みや用途に応じた選び方ができる。

SUV競争激化で今後問われる「持ち味と魅力」

2019年はSUVでヴェゼル、C-HRに次ぐ販売台数をマークしたRAV4。車格や4月発売ということを考えると、数字以上の売れ行きだ

 一方で、トヨタのSUVのなかでも、ランドクルーザープラドに比べるとやや小ぶりになるが、新型RAV4は乗用車からの派生としてのSUVながら、新型では悪路走破性を高めた走行性能に磨きをかけた。

 そして2019年は、5万3965台を売りあげ、ランドクルーザープラドの2.2倍を超える。自販連の通称名別順位では16位の成績を残した。

 これに、ハリアーやレクサス NX、RXなどを加えると、車体寸法や装備等にある程度の違いはあるにしても、トヨタにおけるSUVの選択肢は広がる。

 ランドクルーザーとランドクルーザープラドという比較で見れば圧倒的人気を誇るプラドだが、SUV市場の動向も短期間に変化するなかで、競合他社のみならず、トヨタ社内同士での競争も、これから先さらに厳しさを増していくかもしれない。

 そして、いずれの車種にもいえるのは、持ち味をどう伸ばし、魅力を消費者に発信できるかが、持続的成長の肝になるだろう。

【画像ギャラリー】手頃なサイズの超本格派!! ランドクルーザープラド 歴代全モデル

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