統計から見えてきた!? 車検の見積もり超過が起きるのはどんなパターン?

統計から見えてきた!? 車検の見積もり超過が起きるのはどんなパターン?

 「車検、見積りより高くなった……」そんな経験はありませんか。Song合同会社の調査で、直近車検の見積り超過は全体の58%、平均超過額は2.9万円という結果に。数字からどのような場合、超過してしまうのか、どんなクルマにその傾向が高いのかが見えてくる!?

文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes

6割が上振れ経験、主因は部品交換

利用先別の経験率を示す棒グラフでは、正規ディーラー65%、指定/認証工場55%、格安車検44%
利用先別の経験率を示す棒グラフでは、正規ディーラー65%、指定/認証工場55%、格安車検44%

 金融メディアを運営するSong合同会社は、20〜40代の自家用車・バイク所有者450人に「車検の見積もり超過」に関する調査を実施し、その分析結果を2025年8月22日に発表しました。

 報告によれば、直近の車検で「最終請求が見積りを上回った」人が58%。平均超過額は2.9万円という結果に。本調査対象の約半数が見積もりより最終的な請求が上回ることを経験しているようです。

 内訳については、部品交換が1.6万円(構成比55%)と最多。追加整備が0.9万円(31%)、諸費用0.4万円(14%)が続いています。この結果だけを見るのであれば、超過を経験している方は、どうやら部品交換の面で、想定差が生まれているようです。

 また、見積もり超過の経験率を年代で見ると、20代が52%、30代が60%、40代が62%との結果が。20代は相対的に超過率は低く、40代に当初の見積もりより実際の金額が上回ってしまう方が多いようです。

 40代の割合が高いことについては、報告内で、「長期保有・走行距離の累積に伴う交換項目増」が要因だとまとめられています。

 車種別でも興味深い結果が出ています。軽自動車は49%、コンパクトカーは56%、ミニバン/SUVは67%、そして二輪車が41%。意外にも、頑丈で長く使えそうなミニバン/SUVは上振れする傾向がある模様です。

家計インパクトと“想定外”を減らすコツ

相見積もり、事前点検の写真・動画説明、上限額の事前設定、見積書チェックの4つの主要対策を“実施件数”別に比較すると、未実施では発生率68%、1〜2件実施で54%、3件以上では43%まで低下
相見積もり、事前点検の写真・動画説明、上限額の事前設定、見積書チェックの4つの主要対策を“実施件数”別に比較すると、未実施では発生率68%、1〜2件実施で54%、3件以上では43%まで低下

 と言っても、車検をする側だって決して遊びでやっているわけではありません。見積もりだって仕事の一環。そもそも専門的な知識や技能、経験を持っていなければ見積もることすらできません。

 それに、もし「安く済ませろ!」といった要求からいい加減な仕事をしたり、見て見ぬふりをして、後々問題に……なんて展開は冗談でも御免なわけです。

 一方でみんな暮らしが厳しいのも事実、「これくらいで済むだろう」と思っていた見積もりを上回ってしまうとショックも大きいことが予想されます。

 今回の調査を実施し、その結果を報告したSong合同会社は、そんな声に応えようとしているのか超過を抑える方法をいくつか提示しているようです。

 それによれば、大きくわけて超過を抑える方法は、「相見積もりの取得:2〜3社の総額と交換条件を比較」、「事前点検+写真/動画で説明:摩耗箇所の見える化で合意形成」、「上限額の事前設定(電話承諾含む):超過見込み時に要連絡/承認の取り決め」、「見積書チェックリストの活用:必須/推奨区分、部品状態写真、法定/任意線引き、工賃内訳等」の4つ。

 ただ、車検は、やはり安全や法律に関わる大事なこと。安易に「安く済むから」、「超過させないために」といった風に上記の4項目を実施するというよりは、あくまで大事なクルマだからこそ入念に向き合うという心持ちで実践していくのをおすすめします。

 クルマにじっくりと向き合ったからこそ、見積もりが妥当あるいは超過を抑えることができたという納得できる結果がついてくると言えます。

 繰り返すように、車検をする側だって遊びでやっているわけではありません。そもそも見積もりを上回る、といったことが今回Song合同会社によって実施された調査のテーマですが、自動車整備の見積もりそれ自体が大事な作業でもあるので、決して整備現場を振り回さないように。

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