ホンダが9月に発売した新型「PRELUDE(プレリュード)」が、発売からわずか1カ月で約2400台を受注した。月販計画の8倍という驚異的なスタートダッシュである。懐かしの車名が令和の時代に復活し、なぜここまで熱狂的な支持を集めているのか——その背景と人気の理由をひも解く。
文/写真:ベストカーWeb編集部
想定の8倍超え! 発売1カ月で完売続出の「新型プレリュード」が示すホンダの底力
ホンダが2025年9月5日に発売した新型「プレリュード」は、10月6日時点で累計約2400台の受注を記録。これは月販計画の約8倍という数字で、ホンダ社内でも予想をはるかに上回る勢いである。発売直後から反響は大きく、一部の販売店ではすでに受注を一時停止する事態にまで発展。ホンダは「できるだけ多くのお客様に届けたい」として増産を検討中だ。
購入層の中心は50〜60代。ホンダによると「新規購入やセカンドカーとしての需要が高い」とのことで、かつてプレリュードと青春を共にした世代が再びそのステアリングを握っている構図が見える。かつて“時代の最先端を走るクーペ”として名を馳せたプレリュード。そのイメージを今のホンダが見事に呼び覚ましたといえるだろう。
電動化時代でも「操る喜び」を! 新制御「Honda S+ Shift」で味わう“感情の走り”
新型プレリュードの注目ポイントが、ホンダ独自のe:HEVハイブリッドシステムに新たに組み込まれた「Honda S+ Shift」である。モーター駆動でありながら、有段トランスミッションのようなシフトフィールを再現。加速時のレスポンスやシフトタイミングを緻密に制御し、ドライバーの操作に対してリニアに反応する。モーター車でありながら“操る楽しさ”をしっかり感じられるのが特徴だ。
さらに、シビックタイプRにも採用されているデュアルアクシス・ストラット式フロントサスペンションとアダプティブダンパーシステムを搭載。これにより優れたコーナリング性能と高い安定性を両立し、ワインディングロードでも安心して踏み込める。まさに「電動×スポーツ」を高次元で融合させた一台といえる。
デザインも実用性も磨き抜かれた“大人のスポーツクーペ”
エクステリアは、スペシャルティスポーツらしい「ワイド&ロー」のフォルムを追求。低く構えたプロポーションと流れるようなルーフラインが、プレリュードらしい美しさを現代的に昇華している。照明の下で輝くボディはまるで流星のように滑らかで、走る姿そのものが“デザイン”になっている印象だ。
さらにクーペでありながら、日常使いにも配慮したパッケージングが好評。テールゲート式の広い開口部を備え、スーツケース2個や9.5型ゴルフバッグ2個を収納できる実用的な荷室を確保。プレリュード=非日常ではなく、“使えるスポーツ”として日常に寄り添う存在になっているのも今の時代らしい。
ボディカラーの人気トップはムーンリットホワイト・パール(63%)。続いてメテオロイドグレー・メタリック(16%)、クリスタルブラック・パール(11%)、フレームレッド(10%)と続く。この比率からも、プレリュードが単なるスポーツクーペではなく、“成熟した大人の選択肢”として選ばれていることがわかる。
ホンダの技術と情熱が再びクーペというフィールドで花開いた。令和のプレリュードは、かつての憧れを知る世代だけでなく、“走る歓び”を求めるすべてのドライバーに響く一台である。
















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