カローラ、アコード、シルビア…超個性的なステアリングの国産車9連発!!

4本スポークステアリング

採用車:ホンダアコード(初代)
販売期間:1976~1981年

シビックの兄貴分としてCVCCエンジンを搭載して登場したアコードは最初は3ドアハッチバックのみだったが、後に4ドアセダンを追加

 4本スポークのステアリング自体はさして珍しいものではないが、アコードの4本スポークステアリングが世界的に見てレアなのは、時計で言えば10時10分に近い円形の上部にスポークが配置されていることだ。

 ステアリングのデザインはメーターの視認性を妨げないようにスポーク類は9時15分の位置より下に配置されるのが一般的だが、アコードはその概念を覆した。

 しかし、このステアリングが一般化しなかったのを見ると、評判はイマイチだったんだろうと想像がつく。ちょっとメーターが隠れているから見づらかったんだろう。

初代アコードの4本スポークステアリングは、スポークは9時15分より上の部分に配置しないというクルマ界の常識を覆して登場

ブーメラン型ステアリング(2本スポーク)

採用車:トヨタカローラ(4代目)、日産シルビア(3代目)/ガゼール(初代)、ホンダシティ(初代)
販売期間:1979~1983年(カローラ/シルビア/ガゼール)、シティ(1981~1986年)

カローラレビンと名乗ったのは3ドアハッチバックのみで、写真は2ドアハードトップでそのトップモデルがGTだった
セダンと差別化するために2ドアハードトップにはブーメラン型のステアリングが採用された。スポーティなデザインかつメーターの視認性もバッチリ

 メーターの視認性を高めたいが、1本ではデザイン的あっさりし過ぎる、という場合に重宝したのが2本スポークステアリング。ただし、真横にスポークを配置するのではなく、デザインにこだわった結果登場したのがブーメラン型と言っていいだろう。

 代表的なのは1979年にデビューした4代目カローラで、2ドアハードトップに純正採用された。今見ると確かに2本スポークでスポーティなイメージに感じる。

 そのほかでは、1979年デビューの3代目日産シルビア/初代ガゼールはブーメラン型の変形でより角度のきつい逆V型、ホンダでは1981年にデビューしたシティにブーメラン型2本スポークステアリングがそれぞれ採用された。

3代目シルビアはノッチバッククーペ(写真)のほか、3ドアハッチバックもラインナップされた
3代目シルビアのステアリングはブーメラン型というよりも逆V字といったほうがいいくらいスポークの角度がきつい

 ちなみに、よりスポーティなシティターボ、シティターボIIはオーソドックスな3本スポークステアリングを採用していた。

 ある意味ブーメラン型が日本車でトレンドだったことがわかる。

1981年にトールボーイの愛称でホンダのコンパクトカーとして一躍人気モデルとなった初代シティ。ターボ、ターボII、カブリオレを追加
シティの標準タイプに装着されたブーメラン型のステアリング。ちなみにターボ、ターボIIはまったくデザインが異なる3本スポークステアリングが装着された

富士山型ステアリング(2本スポーク)

採用車:日産シルビア(4代目)/ガゼール(2代目)
販売期間:1983~1988年

シルビア史上初のリトラクタブルヘッドランプを採用した4代目。トップモデルにはスカイラインと同じFJ20が搭載された

 富士山型(←勝手に命名)を採用したのは1983年にデビューした4代目日産シルビア/2代目ガゼールだけというレアタイプ。

 基本は円の中心からオフセットされたストレートスポーク(2本)なのだが、ステアリング取り付け部分のボスのところがなだらかな峰の形状をしている。

 操作性はさておいて、スポーツスペシャルティのシルビア/ガゼールでは日産はユーザーにアピールするためにあの手この手を駆使していたのがよくわかる。

基本は円の中心からオフセットされたストレートスポークなのだが、その上に稜線のような形状でボスにつながる不思議なデザインを採用

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