住友ゴム工業はプレミアムコンフォートタイヤの新製品、『ダンロップVEURO(ビューロ) VE304』を3月1日から順次発売を開始。
ビューロVE304は名称からわかるとおり、従来モデルのビューロVE303の後継モデルとなっているが、どんな進化を遂げているのか気になるところだ。
ダンロップの最新のプレミアムコンフォートタイヤについて解説すると同時に、リプレースタイヤの魅力、ビューロVE304はどんな人にオススメなのかをタイヤのスペシャリストの斎藤聡氏が考察する。
文:斎藤聡/写真:住友ゴム工業、平野学、池之平昌信、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】新製品ダンロップビューロVE304は15インチから21まで全64サイズ!!
リプレースタイヤはウリにする性能に特化できる
リプレースタイヤの魅力は何か。それはある特定の性能を特化させることができるところにある。純正装着タイヤ=OEMタイヤは安全性、運動性、快適性、耐久性などのバランスをとった、言ってみればバランス系タイヤ。
もちろんプレミアムクラスのクルマならタイヤへの要求も高くなるからタイヤのグレードも上がるし、スタンダードな性能のクルマならばタイヤにコストがかけられないので、要求性能もそれなり…という傾向にある。
もちろん、これはリプレース用タイヤについても同じことが言える。ひと口にリプレース用タイヤといっても、プレミアムタイヤからスタンダードタイヤまで性能には大きな違いがある。
だからすべてのリプレースタイヤが優れているわけではない。ただひとつ言えるのは、タイヤにキャラクターを付けることで、ウリにする性能により重心を置いたタイヤを開発することができる。
ダンロップは低減が難しかったノイズを抑えることに成功
例えば、今ではいくつかの自動車メーカーに純OEMタイヤに採用される、タイヤ内部に貼る吸音スポンジは、もともとは住友ゴムが開発し2006年にダンロップ ル・マンLM703で初めて採用された技術だ。
当時はタイヤを叩いた時に響く250Hz前後のノイズは、抑えるのが難しい音域といわれていた。
その前後の周波数はパターン設計である程度低くできるのだが、250Hz前後の周波数は、タイヤの中の空気の振動である空洞共鳴音が主因なので、パターンデザインでは低減するのが難しいと言われていたのだ。
ダンロップはタイヤ内部にスポンジを貼ることで、これを低減することに成功。ル・マンLM703 に続いてプレミアムコンフォートタイヤであるビューロVE303にも搭載される。
ビューロへの採用によって吸音スポンジの効果が高く評価され世界的に注目を集めるきっかけとなった。そしてこんなチャレンジはリプレースタイヤだからできることでもある。
こだわりのデザインが性能を大きく進化させた
新たに登場したビューロVE304は、プレミアムコンフォートタイヤとして静粛性をさらに進化させている。具体的には、先代VE303と比べ、パターンノイズを24%、ロードノイズは29%低減している。圧倒的な静粛性がこのタイヤの最大の特長だ。
トレッドデザインは、4本の縦溝を基調にした左右非対称のリブデザインで、左右のショルダーブロックは溝というよりサイプと呼びたくなる細溝で、ブロックを小さく切り分けているのが特徴。これは静粛性とコンフォート性を高めるためのデザインだ。
とても凝ったデザインで、4本の縦溝のうち外側3本はストレートグルーブではなく3D波型グルーブと呼ばれ、微妙に波型を描いた縦溝となっている。
この縦溝デザインによってロードノイズを大幅に低減。29%のロードノイズ低減に大きく貢献しているのだという。
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