センターピラーレスドアの絶大な長所と意外な短所 便利なのになぜ普及しない?


もはやセンターピラーレスドアだけでは需要を牽引できない

カスタム系のオラオラ顔を持つタントカスタムもセンターピラーレスドアを採用する

 タントの販売面でも、センターピラーレス構造はセールスポイントになっている。それなのにタントは、2019年に発売された新型車でありながら、販売ランキングでN-BOXを追い抜けない。月別の販売台数を見ると、スペーシアを下まわることもある。

 それはセンターピラーレス構造だけでは需要を牽引できないからだ。特にタントは2007年に発売された2代目からセンターピラーレス構造を採用しており、4代目の現行型では新しい機能ではない。

 また現行タントは先代型の欠点潰しを行って走行安定性や後席の座り心地を改善したが、デザインや各種の機能に目新しさが乏しい。

 売れ行きを伸ばすには、十分なボディ剛性を確保した上で、右側にもセンターピラーレス構造を採用するなど注目される実用機能が求められただろう。

 スペーシアギアのようなSUV風のモデルがあっても良かった。要はタントは全般的に地味で話題になりにくく、販売面でもN-BOXを抜けない。

 ただしタントのような実用性が重視される軽自動車の場合、現時点で売れ行きの結論を出すのは早すぎる。

 従来のタントのユーザーが、愛車の車検満了に合わせて着実に買い替えたり、他車のユーザーが同じく車検満了に合わせてタントに乗り替えることもあるからだ。

 実用的なクルマは、発売直後の売れ行きが伸び悩む代わりに、時間を経過しても需要が下がらず堅調に売れ続けることも多い。

 タントがそうなる可能性は十分にある。センターピラーレス構造も、飽きずに長く愛用される機能だから、タントの性格に合っている。

【画像ギャラリー】センターピラーレスドアを採用するタントとN-VAN詳細写真