日産新型ルークス、発売開始!! 王者N-BOXに勝てるのか??

 日産の軽自動車「ルークス」の新型が、3月19日より発売開始される。新型コロナウイルスの影響により、初のオンラインでの新型車発表会となったが、おかげで、事務所の暖かいコタツで見ることができた。

 新型ルークスはN-BOXとタント、そしてスペーシアが属する「軽スーパーハイトワゴン」ジャンルに属する。

 この軽スーパーハイトワゴンジャンルは、いま日本で最も売れるジャンルであるのと同時に、昨年11月に、ダイハツ タントに1位を奪われるまで、なんと26か月も販売台数トップに君臨し続けた、絶対王者「ホンダ N-BOX」が存在するジャンルでもある。

 新型ルークスは、この軽スーパーハイトワゴンジャンルの勢力図を変えることができるだろうか。

文:吉川賢一、写真:日産、ホンダ

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新型ルークスの強みを辛めに評価。対するN-BOXの位置づけは?

 新型ルークスの訴求ポイントから確認してみよう。大きくうたわれているポイントは、(1)デザイン、 (2) プロパイロット、 (3) インテリジェントアラウンドビュー、 (4) 広い室内空間、 (5) 後席ロングスライド、 (6) 大開口&ハンズフリーオートスライドドア、 (7) 運転のしやすさ、の7つだ。

(1)デザイン

新型ルークスハイウェイスター

 デザインは好き嫌いが分かれるところだが、旧型デイズルークスに対して、コンパクト化したヘッドライトや、リアからフロントまで直線のキャラクターラインが入れられており、ウィンドウ下端のラインの延長線上にボンネットが来るのでまとまり感がある。

 完成度の高いシャープな印象となったと感じた。車両後端のウィンドウラインのキックアップは、まるでセレナのようにも見える。

(2) プロパイロット、 (3) インテリジェントアラウンドビュー

プロパイロット搭載(渋滞時、車間キープしている場面(イメージ画像))

 プロパイロットとアラウンドビュモニターに関しては、ホンダセンシング(N-BOX)、全方位モニター(スペーシア)と、既にライバルたちが取り入れている技術であり目新しさはないが、「全部乗せ」していることには価値があるだろう。

(4) 広い室内空間

ルークス 車内

 他の軽スーパーハイトワゴンと比べて、ルークスが特別優れているわけではない。ラゲッジルームのフロア下にあるアンダーボックスも、他メーカーも当たり前に採用している。

(5) 後席ロングスライド

 後席の320ミリ前後ロングスライドはライバルよりは大きい数字ではあるが、それとて、N-BOXの前後に570ミリも動かせる助手席スーパースライドシートと後席の前後スライドとの組み合わせのほうが、よっぽど使い勝手が良い。

 タントの「世界初運転席ロングスライド(最大540ミリ)」の前では、ルークスのスライド量なんて、霞んでしまう。

(6) 大開口&ハンズフリーオートスライドドア

 大開口&ハンズフリーオートスライドドアに関しては、ドラマチックな大きさではないし、ハンズフリーオートスライドドアは、N-BOXにもディーラーオプション設定されている。

(7) 運転のしやすさ

 最後の運転のしやすさだが、見晴らしの良いアイポイントの高さはあるものの、死角に影響するAピラー幅はN-BOXほど細くもなく、N-BOXに勝てる魅力とは言いがたい。

N-BOXのAピラー(フロントピラー)の説明

 要するに、平均点以上を取る優等生ではあるのだが、日産というブランドバリューとデザイン以外は、「ルークスでないとならない理由」に乏しい。

 日産が、手持ちのデバイスを全部乗せしたクルマのようで、言い過ぎかもしれないが、「ここが王者N-BOXに勝てるポイントだ!」という迫力が見当たらない、というのが筆者の印象だ。

強みが発揮されれば王者N-BOXを打ち倒せるのか?

2019年3月に発売した新型デイズ

 2019年3月にデイズが新型となって登場した際、軽ワゴンの水準はここまできたか、とびっくりした。

 しかし、その半年後に登場した新型N-WGNは、その水準をさらに上げてきていた。N-BOXのクルマとしての完成度は、びっくりするほどに高い。

 この一台があれば、普段の買い物使いからドライブ、長距離旅行まで、何の不便も感じないほどだ。

N-BOXのラゲッジスペース

 荷物も大量に乗るし、乗り心地や音振性能といった「走りの質感」も高いし、ホンダの技術力の高さ、仕上げの丁寧さが表れている。

 そのため、新型ルークスも、N-BOXを超える何かを仕掛けてくれるのではないか、と期待している。コストに厳しい軽自動車に、これ以上を求めるのか、という声をいただくことがあるが、隙が全く見当たらないN-BOXに勝つには、それをやらなければならない。

まとめ

IMk(東京モーターショー2019出展)

 日産は、軽基準のEV、「IMk」を本気で作っているという。しかし一般のユーザーにとって、EV購入のハードルは依然として高い。

 例えばだが、軽自動車用のe-POWERは作れないのだろうか。ノートはe-POWERで成功した。ルークスにもe-POWERがあれば、N-BOXの牙城を崩すきっかけにはなるかもしれない。

 「やっちゃえ日産」と、自ら標榜するならば、それくらいの「What’s New?」を見せていただきたいところだ。

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