走りの質感はどう違う?
現行ノートは2012年にデビューし、その時に日産の開発者は、「ホンダフィットを隅から隅まで研究してきた」と公言していた。
しかし、日産が研究したフィットは2代目フィットで、ユーティリティ、使い勝手の面などは今でも魅力は色あせないが、走りに関してはデビューして8年が経過するその基本設計の古さは隠せない。
新型フィットよりも乗り味が硬く、乗り心地もよくない。特に設計が古いこともあってNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)的には厳しい。
いっぽう新型フィットはホンダが最近サスペンションを動かすということに目覚め、その最適解を見つけたようで、しなやかなハンドリングと質感の高い乗り心地を実現していて個人的にも気に入っている。
あと室内に入ってくる音で言えばエンジン音がある。
ノートの1.2L直3エンジンは街中を走っていてもけっこう音がする。これは快適性という点ではノートe-POWERの欠点だと思う。2020年中に登場すると噂されている新型では、発電用エンジンの音振対策が取られるはずだ。
その点フィットは新しいこともありエンジンの静粛性に優れていて不満はない。
走りの質感、快適性にも大きく影響するシートについては、ホンダは新型フィットにボディスタビライジングシートを採用してきたが、これが抜群にいいことも加えておきたい。
ホンダセンシングが魅力的
燃費はノートが古いクルマのためWLTCモードが存在せず、JC08モード燃費のみとなっているのでそれで比較してみると、ノートが37.2km/Lに対しフィットが38.6km/Lとなっている。
0.1km/Lの違いに目くじらを立てていた時代もあったが、それほどのネガにはならないだろう。
それよりも新型フィットの魅力としては最新のホンダセンシングで、各種安全装備、運転支援装置が用意されるなか、ACCとLKAが独自にセパレートで使えるのが魅力的だ。対するノートはセパレートでは使うことができない。
新型フィットe:HEVの価格のベンチマークはノートe-POWER!?
最新型車と基本設計が8年前のクルマを比べること自体に無理があると思われるかもしれないが、裏を返せば、設計が古かろうが、e-POWERのような魅力的な飛び道具があればユーザーは強い関心を持つことを実証してくれたのがノートだ。
最新のe:HEVの優位性が高いのは事実だが、若干の難点はあれど、e-POWERは充分に対抗できるだけのポテンシャルを持っている。特に速さという点ではそん色ない。
新型フィットは5タイプを用意し、それぞれにe:HEVがラインナップされている。価格はFFで199万7600~232万7600円となっている。
それに対しノートe-POWERは193万7100~246万9500円の価格設定となっている(NISMO除く)。
新型フィットがデビューした時に高くなったと感じたが、価格を見る限りノートe-POWERがベンチマークとなっていたことがよくわかる。
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