長年、クルマ好きから羨望と嫉妬の視線が注がれてきたポルシェ911ターボ。その最新型が、2020年3月3日にフルモデルチェンジを迎えた。
最新型となるタイプ992をベースに開発された新型ターボSは、伝統の専用ワイドボディに加え、大幅なポテンシャルアップが図られている。その実力、そして、日本での価格は!?
文:大音 安弘 / 写真:ポルシェ・ジャパン
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911の頂点となるターボS
ドイツ・ポルシェAGは、2020年3月3日、フラッグシップスポーツであるポルシェ911のトップモデル「ポルシェ911ターボS」を投入することを発表した。
日本での価格も公表されており、クーペモデルが2892万円。電動ソフトトップを備えるオープンモデル「カブリオレ」が3180万円。日本仕様は、いずれも右ハンドルの8速PDK仕様となる。
最新こそ最良!カレラよりも大幅な性能向上
911では、従来型の後期モデルより、ライトサイジング化を図ったターボエンジンを積極的に展開。2018年11月に登場した最新世代のタイプ992も、メインとなるカレラシリーズには、ターボエンジンが搭載されている。
しかし、敢えてトップモデル名にターボを冠するのは、エンジンだけでなく、ボディやシャシーなど全面的なアップデートが加えられ、大幅な性能向上が図られていることを示す意味を持つ。
視覚的に性能を語るボディは、伝統の専用ワイドボディを採用。全長4535mm×全幅1900mm×全高1303mm(欧州参考値)と、カレラ比較で、全長+16mm、全幅+48mm、全高+5mmの拡大。ホイールベースは、共通の2450mmとなる。
よりセクシーなスタイルとなったボディは、ビジュアル的にも魅力的だが、高性能化されたパフォーマンスをフルに活用するための機能性の高いものでもある。空力改善を図ったエアロダイナミクスは、前後スポイラーを電動可変式とすることで、さらに大きなダウンフォースを提供する。
ワイド化されたトレッドに収まるタイヤは、前後異形サイズとなるフロント255/35ZR20、リヤ315/30ZR21を装着。膨大なパワーをタイヤに伝える駆動システムには、強化された4WDシステムを採用。最大500Nmのトルクを前輪に伝達することが出来るという。
要となる新開発の水平対向6気筒ツインターボ
搭載されるエンジンは、新型911カレラに搭載される新世代エンジンをベースに、新開発された3.8Lの水平対向6気筒ツインターボだ。新設計の吸排気システムや新たな可変タービンジオメトリー(VTG)機構を備えた左右対称の大型ターボチャージャーなどの特徴を持つ。これにDCTタイプのターボ専用8速PDKを組み合わせる。
その性能は、最高出力650ps/6750rpm、最大トルク800Nm/2500~4000rpmを発揮。これは先代ターボ比で、最高出力+70ps、最大トルク+50Nmも上回るもの。その実力は、0-100km/h加速が、わずか2.7秒。最高速度は、330km/hにも達する。
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