■日産有利でも油断できないライバルメーカーの次の一手
それでは新型ルークスにとって態勢は万全で、ビッグ3への追い上げにますます加速がつく状況かというと必ずしもそうではない。3強のさらなる引き離し策も着々と進んでいる側面もある。
まずN-BOXは、2020年10月にも3年ぶりにビッグマイナーチェンジする。これによって、軽自動車だけでなく登録車も含めた銘柄別新車販売トップの足固めをさらに強固にする構えである。
タントは2020年7月で現行モデル発売後1年が経過するので、販売頭打ちをカバーするために、一部改良ないしは買い得の特別仕様車を設定するなどして、商品ラインアップを強化する方向にある。
スペーシアは、2020年12月で現行モデル発売後3年が経過するので、やはりビッグマイナーチェンジで商品ラインアップを強化する方向にある。
生産するメーカー各社にとって当面はやっかいな問題がある。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で部品の供給がスムーズに行かず、組み立てが時々ストップし、供給遅れで納期が長引いていることである。いずれも2カ月以上の納車待ちになっており、これが各社間のシェア争いの行方に微妙な影響を与えている状況にある。
■ライバルメーカー4社が読む これからの戦いのポイント
●証言1:首都圏日産店営業担当者
新型ルークスは、現在の扱い車のなかで最も期待ができる新型車であり、生産が追い付かない状況にある。納車次第でN-BOX、タント、スペーシアに追い付くことは可能だ。特に販売の60%以上を占めるハイウェイスターに期待している。
●証言2:首都圏ホンダカーズ店営業担当者
N-BOXはこれまでもライバル他車を大きく引き離してトップを走って来たので、今後も今のポジションを維持できると確信している。2020年秋実施するビッグマイナーチェンジでさらに足固めを目指すことになる。
●証言3:首都圏ダイハツ店営業担当者
両側スライドドア車は乗用車系モデルだとタントのほかムーヴキャンバス、ウェイクを合わせて3車種あるので、これらの合計台数で他社とのシェア争いの行方を考慮している。
●証言4:首都圏スズキ店営業担当者
スペーシアは同ジャンルではN-BOX、タントに次いで3番手になっているが、最近はタントを追い抜く月も出始めている。今後の商品ラインアップの強化でとりあえず2番手奪取を目指したいところだ。
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