■メーター照明調整スイッチ
このスイッチを使用するのは、クルマを乗り換えたあとの、最初の1回くらいではないだろうか。昨今のメーターはプリセット状態で良く見えるように設定されているので、わざわざメーターの照度調節をしなくとも大丈夫だ。
また液晶モニターであれば、画面表示が明瞭なので、照明調整する機会はほとんどない。このスイッチも、まもなく無くなっていくだろう。
■VDC、ESPオフスイッチ
試乗インプレッション記事などで、「サーキット走行でVDCをオフにしてクルマの性能を解き放ち…」といった文章を見ることがあるだろう。
そうした実験走行をするときには使うこともあるが、本来は、ぬかるみや雪溜まりのような悪路から脱出するため、VDCシステムをOFFにして、エンジン出力を最大限使う、というのが本来の使い方だ。
通常走行時は常にONにするのが推奨なので、特殊なトラブルが起きない限りは、触れることもないスイッチであるが、万が一の場合に備え、どこにあるのかは把握しておく必要があるスイッチでもある。
(編集部注/VDC(ビークルダイナミクスコントロール)…アクセルやブレーキなどに車両操作と車速、路面状況などを監視し、タイヤが滑っていたり挙動が不安定な場合はアクセル出力やブレーキ圧を自動で調節して車両の安定性を増す機能)
■スノーモードスイッチ
凍結路面や積雪路面といった、滑りやすい環境を走行する際はオンにするのがこのスイッチだが、逆に言うと、それ以外の環境では使うことがないスイッチだ。
また、雪が多い地方に住んでいる方は、凍結路や雪路でのクルマの発進に慣れているためにアクセルの踏み方が上手く、そもそも不要だったりもする。
しかし、都心部であっても大雪に見舞われることもあるし、ふと出かけた先で、凍結路に遭遇する可能性もある。こちらも万が一の場合に備え、頭にいれておくべきスイッチだ。
■速度リミッタースイッチ
最高速度の高いBMWやメルセデスといった輸入車に、多く装着されているスイッチだ。日本では、このスイッチを使うことはないだろうが、欧州では、あると便利なスイッチなのである。
欧州地域で各道路に設置されているオービスは、わずかな速度超過であっても「スピード違反」となる。たった1km/h制限速度をオーバーしたせいで高い罰金をくらうことにもなるのだ。
速度リミットをONにして上限速度を設定することで、知らない道での速度違反を予防できる、というわけだ。
【余談】
欧州では2022年以降に販売される新車に対して、制限速度を超えると運転手に知らせて減速させる機能「インテリジェント・スピード・アシスタンス(ISA)」の装備が義務付けられることが決定している。
オーバーライド(ドライバーの意思で速度を調節できる)は可能となるようだが、そのうち、ドライバーの意思とは関係なく、クルマについたカメラで読み取った制限速度標識の通りに、速度調節されるようになるかもしれない。
ちなみに、日本でも、大型トラックには2003年に速度リミッターの装着が義務化されており、車速90km/h以上出せないように規定されている。
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