実はカローラよりルーミー/タンクを合計した販売台数の方が多い? 基本は同じで細部を差別化! 「姉妹車」は販売台数ランキングで測り知れない超人気車揃い!?
毎月、日本自動車販売協会連合会(自販連)から発表される車種別の販売台数ランキングでは、例えばアルファードとヴェルファイアなどの姉妹車は、別々にカウントされている。
それぞれの台数だけでも充分人気車と呼べるモデルが多いのだが、逆に言えばこれら姉妹車は額面以上の人気を持っているということであり、上記のランキングではその実態がつかみにくい。
そこで、本稿では姉妹車やトヨタのライズとダイハツのロッキーといった共同開発車、OEMを含めて販売台数を合計したランキングを独自に算出。結果は非常に興味深いものとなった。
文:永田恵一
写真:編集部
【画像ギャラリー】同じようで違う? 本稿登場全「姉妹車」を写真でチェック!
最新の販売台数で検証! 姉妹車の本当の売れ行きは?
姉妹車/OEMを合計した台数を見ていく前に、まずは単一車種でみた2020年3月の販売台数(登録車)ベスト20をまとめた【表1】を見ていただきたい。
簡単に振り返るとトヨタ車の強さと、登場したばかりのコンパクトカーとなるフィットとヤリスの戦い、ノートとセレナという日産車の健闘が目立つ結果だった。
では、登録車の兄弟車とOEMを合計した販売台数ベスト20はどうなるのか? 主な兄弟車それぞれの販売台数を足していき、これを反映した販売台数ベスト20を集計してみたのが【表2】だ。
結果は兄弟車&OEMがベスト3を独占。
特にノア/ヴォクシー/エスクァイアを合計すれば、単一車種でミドルハイトミニバントップとなる日産 セレナのほぼダブルスコアとなる圧倒的な強さを見せた。
人気兄弟車が人気たる所以とその実力は?
■トヨタ ルーミー/タンク/ダイハツ トール/スバル ジャスティ
率直なところ、先発でライバル車となるスズキ ソリオと比べると、致命的なくらい劣っている自動ブレーキ/運転支援システムなど、アドバンテージはほとんどない。
それでも四兄弟を合計すると登録車の1位になるほど売れる事実の裏には、使い勝手のいいスライドドアを持つプチバンに対する需要の高さ、トヨタ全ディーラー扱いとなる販売力とトヨタのブランドイメージの高さがあげられる。
これに加え、ダイハツもここ数年登録車の販売にも力を入れていることを数字で実感する。
これだけ売れているのを見ると、トヨタとスズキは業務提携を結んでおり、インドではお互いにない商品の補完も行っているだけに、先々タンク四兄弟とソリオを1本化する可能性もゼロではないのかもしれない。
■ノア/ヴォクシー/エスクァイア
こちらもライバルとなるセレナやステップワゴンに対するアドバンテージは、登場時期が2台に対し古いこともあり、ほとんどない。
それでもこれだけ売れるのは、トヨタのブランドイメージの高さと販売力の賜だ。
■アルファード/ヴェルファイア
アルファード/ヴェルファイアが、3月に1万台以上売れたという結果にはトヨタの強さを表わし、両モデルが“現代におけるクラウン的な存在”に成長していることを伺わせる。
平均価格が400万円を越えるだけにアルファード/ヴェルファイアが、トヨタにとってドル箱的存在となっていることを改めて痛感する。
■ライズ/ロッキー
「5ナンバーサイズかつ広くてリーズナブルなSUV」という実に売れそうな商品であることに加え、ロッキーもこれだけ売れている裏にはトール同様にダイハツが登録車の販売にも力を入れていることを実感。
■パッソ/ブーン
パッソだけでも充分売れているが、ブーンを加えると5000台越え。直接的なライバルとなるマーチとミラージュに対するパッソ/ブーンの圧倒的な強さを再認識する。
■プレミオ/アリオン
2台合計すると1000台を超える。セダンとしては堅調な需要があり、登場から13年が経ちながらも生産終了となったエスティマと同様に「フルモデルチェンジは難しいけど、絶版にするのももったいない」という状況がよく理解できる。
■86/BRZ
それぞれだとマツダ ロードスターの555台に負けるが、合計すると僅かながら販売台数でロードスターを上回る。
しかし、BRZは受注終了のカウントダウンに入っているだけに、その後どうなるかはちょっと興味深い。
また、新型と先代モデルの継続販売となるアクシオ/フィールダーを持つカローラや、プラドと巨大な200系があるランドクルーザー、ラパンもファミリーとなるアルトなどは、別のクルマなのに「カローラ」という通称名で販売台数上は一括りにされる。
そのため、一つの車名に複数のボディやサブネームがあるモデルは、販売台数の統計では非常に有利になることも頭に入れておきたい。
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