登録車No.1の座はトヨタのヤリスが「奪還」! 競合車のホンダ フィットも2位で、新車販売戦線に動き。
新型コロナウイルス禍による生産の滞り、需要の減少という状況下となった4月の登録車台数ランキング(軽自動車を除く)は、2月に発売されたコンパクトカーのトヨタ ヤリスが首位に立った。
統計を取りまとめる日本自動車販売協会連合会(以下、自販連)によると、同車の首位獲得は、車名がヴィッツだった2006年8月以来。実に約14年振りの快挙となる。
本稿では、4月の登録台数概況とともに、ヤリスが首位に立った理由を考察していきたい。
文:永田恵一
写真:TOYOTA、編集部
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フィットとの争い制したヤリスが首位に
4月の登録乗用車全体の販売台数は、前年同月比72.5%の14万4674台と、新型コロナウイルスの影響による大打撃を受けた。
また、軽乗用車は登録乗用車以上に影響を受けており前年同月比64.6%となる7万4558台だった。
全体的には登録車販売ベスト10の常連車種と、需要に対し供給が遅れ気味で2月、3月に注文された分も多数含まれていると思われる。
そのため6位と順位を上げたアルファードなど相変わらずのトヨタの強さと、フィットとフリードで一矢報いたホンダの健闘が目に着く。
気になるのは3月までトップ10には入っていた日産 ノート(13位/3786台)とセレナ(16位/2741台)の失速だ。
さて、視点を変えて4月の登録乗用車台数全体の前年同月比72.5%を基準に、各ブランド全体で見てみると
●前年同月比が72.5%を上回ったブランド
・ダイハツ/126.0%(これはロッキーが加わったためだろう)
・ホンダ/85.8%
・トヨタ/79.3%
・レクサス/76.7%
・マツダ/73.8%
●前年同月比が72.5%を下回ったブランド
・三菱/62.5%
・スズキ/53.0%
・日産/46.8%
・スバル/44.0%
このように、ノートとセレナの失速と日産の低迷はリンクしているようにも見える。現下の特殊な状況を加味する必要はあるにせよ、結局は「日産に魅力的な商品が少なく、それがコロナウイルス禍でさらにハッキリした」ということなのかもしれない。
新型ヤリス首位獲得の要因は?
さて、本題のヤリスが売れている理由としては……
・「乗ってみたい」と感じる若々しさを感じる内外装
・新しいTNGA-Bプラットホーム、TNGAコンセプトで開発されたハイブリッドを含めた1.5リッターエンジンによる硬質かつ爽快な走り
・ハイブリッドなら30km/Lも夢ではない全体的な燃費の良さ
・日本最高レベルの自動ブレーキやSOSコールに代表される安全性の高さ
・廉価版の1Lガソリンや1.5Lガソリン車へのMTの設定など選択肢の広さ
といくつも浮かぶ。
ヴィッツ時代の中盤以降は、3代目プリウスとアクアが登場したことに加えて、2010年12月登場の先代(3代目)ヴィッツ前期型では安っぽさが目立ち、買う理由が希薄だった。
(編注:前回、登録車No.1に輝いた2006年8月は、評価が高かった2代目のヴィッツが発売された翌年であった)
こうした事情を思えば、生まれ変わったようにやる気満々なヤリスが、4月の登録車販売台数1位に躍り出たことも納得できる。
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