ヴィッツ時代以来14年振り快挙! 新型ヤリス なぜ販売首位に? 背景と事情

競合フィットとの「差」をわけた理由

同月にモデルチェンジしたヤリスとフィット。似て非なる両車のハイレベルな争いは、今後もしばらく続きそうだ

 その反面で、筆者は「そういうモデルがあっても構わない」と評価しているのだが、ヤリスにはリアシートの狭さという大きなウィークポイントもある。

「乗って楽しい」などの個性や明るさこそヤリス優勢ながら、競合の新型フィットは、1クラス上のキャビンとラゲッジスペースの広さを持つ。

 このほか、先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールは停止まで対応する(ヤリスは30km/h以上)というアドバンテージもあり、より万人向けだ。

 さらに、4月はトヨタ全ディーラーでの全車種扱いも始まっておらず、筆者にはこの状況でフィットよりヤリスの方が売れたというのは大変意外だった。

 また、そもそも月間販売目標台数はヤリス=7800台、フィット=1万台なので、メーカー自身も筆者に近い認識をしていたのかもしれない。

通算4代目にして初めて日本国内での車名をヴィッツから変更したヤリス。ヴィッツ時代はレンタカーなど法人需要も多かった

 それでもヤリスが登録車販売台数ランキング1位となった理由を考えると、筆者の頭には2つのことが浮かぶ。

●初期受注の積み残し

 発売1か月後の受注はヤリス=約3万7000台、フィット=約3万1000台とヤリスの方が多かった。さらに2月と3月を合計した販売台数は、ヤリス約1万7000台、フィット約2万3000台だったため、受注残が多かったぶん、ヤリスの販売が伸びたというのはありそうだ。

●レンタカー需要?

 これは筆者の推測だが、トヨタレンタカーのWebを見ると「ヤリスキャンペーン、4月13日から5月31日まで」というバナーを見つけた。

 確かにトヨタレンタカーは規模も大きく、新型車のレンタカーというのも小さくない販売促進になりそうで、ヤリスの販売台数ランキング1位にレンタカー需要が若干でも後押しになったということはあるのかもしれない。

◆  ◆  ◆

 新型コロナウイルス禍により平時ではない時期がしばらく続きそうだ。

 しかし、自動車業界では5月からのトヨタ全ディーラーでの全車種扱いや新型ハリアーの登場といった変化、話題もあり、5月以降も販売台数ランキングは絶対数やヤリスとフィットの動向なども含め興味深いものとなりそうだ。

【画像ギャラリー】違いクッキリ!? 写真で見る新型ヤリス/ヴィッツVSフィット

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