2018年の年間の新車販売台数は日産「ノート」、トヨタ「アクア」の後塵を拝したものの、2019年にはしっかりとトップの座に返り咲いたのがハイブリッド車のパイオニア、トヨタ「プリウス」だ。
現行モデルは2015年に登場すると、「プリウスPHV」を2017年に追加。登場から4年が経過し、中古車市場にも多くの流通台数を誇っている。2020年3月の中古車の大需要期を直撃した新型コロナ禍。
人気モデルであるプリウスはどのような値動きとなっているのか、PHVも加えて最新の中古車事情を紹介しよう。
文/萩原文博
写真/TOYOTA
【画像ギャラリー】いまだ人気衰えず! 現行型プリウスとプリウスPHVの内外装をチェック!!
■優等生な性能とは裏腹に 個性的すぎた当初の外観デザイン
4代目となる「現行型プリウス」は2015年12月に販売開始された。トヨタのクルマ構造改革である”TNGA”を導入した記念すべき第一号車とる。TNGAを採用したことで、走行性能に磨きを掛けるだけでなく、ハイブリッドシステム用のバッテリーもニッケル水素電池から「Sグレード」を除く全グレードはリチウムイオン電池に変更されるなど燃費性能も向上させている。
注目のポイントは4WD車の設定だ。先代プリウスまでは2WD車しか設定されなかったが、現行型は「E-four」と呼ばれる電気式の4WD車が設定され、降雪地のユーザーにとって待望の瞬間が訪れたと言えるだろう。
搭載されているハイブリッドシステムの基本構成は先代のキャリーオーバーだが、1.8L 直4ガソリンエンジンの最大熱効率を高め、さらにハイブリッドシステムの小型・軽量化したことにより、JC08モード燃費は40.8km/L(Eグレード)まで延びている。また、運転支援システムは、衝突回避支援パッケージの”トヨタセーフティセンス”を採用し、高い安全性を確保した。
このようにしてみると文句なしに売れそうなのだが、現行型プリウスの新車セールスは苦戦を強いられる。それはあまりにも個性的な外観デザインがプリウスのメインターゲット層に嫌われたからだ。
ほかの車種でもハイブリッド車が増えたことも影響しているが、やはりプリウスの購入層は外観デザインに対して保守的な人が多かったことが、前期型プリウスの苦戦によってより浮き彫りとなったのだ。
■プリウスのいい所は引き継ぎつつ さらに進化したPHV
そして2017年2月に「プリウスPHV」が発売される。先代モデルでもPHVは設定されていたが、満充電の走行距離が約26.4kmと短かった。しかし、現行型はモーターのみで走行できる距離が約68.2kmと一気に延長され、国産車のPHVの中でもトップレベルの走行距離を達成した。
実際に試乗したが、バッテリーがなくなっても強制充電モードで走行すれば、エネルギー回生システムの効率がいいので、どんどんと充電されていく。
個性的な外観デザインが嫌われていたプリウスは、満を持して2018年12月にマイナーチェンジを行った。内外装の変更をはじめ、専用車載通信機のDCMを標準装備しコネクティビティ機能の強化。さらに、トヨタセーフティセンスの全車標準化に加えて、機能を追加するなど全方位の安全性を実現した。
フロントマスクやリアランプは、プリウスPHVに似せたオーソドックスなデザインとなったことで、人気が回復。それが2019年の新車販売台数No.1に輝いた大きな要因だろう。それでは、プリウスの最新中古車事情を見てみよう。
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