クルマが駐車場にない……盗まれたかも! クルマを所有していれば、こんな事態に陥ってしまうことが珍しくなくなりました。自動車盗難件数は、年々増加傾向にあり、盗難方法も巧妙化しています。しかし、盗まれないようにとクルマを24時間365日監視するのは難しい……。どうすれば万が一の被害に備えることができるのでしょうか? 今できる対策と、盗難被害にあった時の行動を覚えておきましょう。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=Haru Works)
【画像ギャラリー】やりすぎなくらいがちょうどいい!? 備えあれば憂いなしな盗難対策 (3枚)画像ギャラリー盗難後の対応には車両保険の有無がカギとなる!
自動車本体が盗難に遭った場合、補償を受けられる主な保険が車両保険です。しかし、全ての自動車保険契約が盗難に対応しているわけではありません。そのため、自分が契約している保険契約をよく確認することが大切です。
特に注意すべき点は、盗難されたクルマに対して支払われる保険金が「車両の時価額」であることです。この時価額とは、新車価格から年数に応じた減価償却分を差し引いた金額になります。新車(中古車)購入時の価格が、そのまま補償されるわけではありませんし、購入直後でも、減価償却の影響で補償金額が想定より少ないこともしばしばです。
また、車両本体の盗難に加えて、カーナビやホイール、マフラーなどの部品盗難も増加しています。これらの被害についても車両保険の補償対象に含まれる場合がありますが、これにはいくつかの条件があるので注意しましょう。
車両保険には、オプションとして車内携行品補償特約があります。車内携行品補償特約は、車内に保管している物品が破損したり、盗難に遭ったりした際に補償を受けるためのものです。ただし、自転車やサーフボード・携帯電話・ノート型パソコン・眼鏡・ペット・植物・手形その他の有価証券(小切手は含みません)・商品・製品等に生じた損害やキャリアに固定された個人が所有する日用品(レジャー用品など)の盗難は補償されません。
また、保険金の支払い基準は部品価格ですが、こちらも車両本体と同様に時価額が基準となります。新品購入時の価格ではなく、経年劣化などを考慮した金額が適用される点は覚えておきましょう。
保険会社が注目する巧妙な盗難方法とは?
自動車盗難の手口は年々複雑化しており、保険会社もこれらのリスクに注目しています。近年では、最新技術を悪用した自動車盗難が増加しており、対策が急務となっているのです。
リレーアタックやCANインベーダーという言葉は、テレビなどでも大きな話題になっていることから、知っているという人も多いでしょう。自動車盗難の手法は、巧妙かつ複雑化し、対策が追いついていないという現状もあります。
過去にはこんな大胆な盗難方法もありました。それは「積載車を使用した盗難」です。堂々と駐車場の前に積載車を停め、犯人が積載車を用いて駐車中の車をそのまま運び去ります。一見すると車両輸送作業のように見えるため、周囲が気付かないことも多いのです。
また、大男が何人もやってきて、クルマを持ち上げて積載車に載せるという、超アナログな方法もありました。様々な盗難方法に対し、私たち自動車ユーザーは対策を講じて愛車を守り続けるしかありません。
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