トヨタは5月18日11時(日本時間19日1時)、米国で新型ミニバン「シエナ」と新型ハリアーの北米版「ヴェンザ」を発表した。
1997年に北米市場にデビューしたシエナは、これまで北米市場のほか、韓国や台湾で販売されてきた全長5mを超える大型ミニバンで、約10年ぶりのフルモデルチェンジとなり、4代目に生まれ変わった。
そしてもう1台、日本市場でも6月17日に発売される新型ハリアーの北米版、新型ヴェンザ。
北米市場において2015年に一度廃止となったが、トヨタのグローバルなSUVモデルとして、今回、北米市場に復活することになった。
新型シエナとヴェンザはどんなモデルなのか、さっそくチェックしていこう!
文/ベストカーWeb編集部
写真/TOYOTA USA
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新幹線をモチーフにしたフロントマスク
4代目となる新型シエナは、カムリやRAV4、新型ハリアーなどと同じTNGA-Kプラットフォームを採用し、今回から全車オールハイブリッドモデルとなった。
エクステリアのデザインはキーンルックのフロントマスク、新型ハリアーにも似たダイナミックで抑揚のあるサイドのキャラクターラインなど、新世代のトヨタデザインを感じさせる。フロントマスクについてはなんと日本の新幹線をモチーフにしているという。
新型シエナのボディサイズは公表されていないが、先代モデルのスペックを見ると、全長5095×全幅1984×全高1790mmだから、いかに大きいミニバンかがわかる。いずれにしても全長5m超となるのは間違いない。
ちなみにアルファードは全長4945×全幅1850×全高1950mm、グランエースが全長5300×全幅1970×全高1990mm、そして生産を終了したエスティマが全長4820×全幅1810×全高1745mm。
新型シエナはアルファードのような1BOXの箱型ではなく、エスティマやオデッセイのような若干背の低いスタイルが特徴だ。
シート配列については、8人乗りモデルに加えて、2列目にキャプテンシートを備えた7人乗りのモデルを用意。 この7人乗り仕様に用意される、2列目キャプテンシートをスーパーロングスライド機構を備えており、635mmのロングスライドが可能だ。
発表されたラインナップは最上級グレードのプラチナムと中間グレードのリミテッド、XLE、XE、そしてスポーティグレードのXSEという布陣だが、リミテッドとプラチナムグレードの2WDモデルにはオットマンが採用される。
パワートレインは、先代の3.5、V6から、2.5Lの直4ハイブリッドのTHSIIのみのオールハイブリッドとなった。システム最大出力は243hpを発生。
駆動方式はFFのほか「Electronic on-demand AWD」と呼ばれるモーターを採用した4WDシステムも用意され、一定速度のドライブでの100:0から滑りやすい路面での20:80までのトルク配分を可変、その状況をマルチインフォメーションディスプレイに表示する。
さらに、新型シエナ全車で、最大3500ポンド(約1600kg)の牽引に対応しているという。これはMTBなどを積んで牽引するトレーラー需要に応えたものだ。
走行モードは、EV/エコ/ノーマル/スポーツのモードを任意で選択でき、スポーツモードは、加速応答を向上。エコモードはエンジンとバッテリーをバランスよく使って走行。EVモードは電気のみで低速での走行が可能となっている。
先進的なインテリア

コクピットはRAV4や新型ハリアーなどと共通するイメージのデザインで、シフトレバーはインパネシフトではなく、ブリッジ・コンソールを呼ばれる大型センターコンソールのなかに設置されたフロアシフトが特徴。
ハイブリッドのシステムインジケーターを表示する7インチのデジタルメーターやAndroid Auto/Apple CarPlay対応の9インチのタッチ式ナビゲーションを装備。
最上位グレードには10インチのヘッドアップディスプレイとアラウンドビューモニターも採用されているなど先進装備を満載している。
プレミアムな機能としてはキックオープン/クローズ機能を備えたスライドサイドドアやリアゲートのほか、2列目シートのロングスライド機能や冷蔵庫、デジタルバックミラー、10インチカラーヘッドアップディスプレイ、12スピーカーJBLプレミアムオーディオシステムなどの装備を採用。
また、アウトドアやキャンプに向けたアクセサリーとして、キャリアやクロスバー、自転車ラック、120V ACコンセントを備えた1500Wインバーターなどをオプションで用意する。
新型シエナは2021年モデルとして今夏以降に発売予定。エスティマが生産終了となった今、日本でも発売するのかと期待は高まるが、残念ながら北米市場メインで開発された大型ミニバンのため、日本市場に導入される可能性はゼロに近い。