充電の手間を減らしながら、いざという時には電源にもなる――。HelioXが発表した「Solar E-Bike」は、太陽光発電と電動アシスト、外部給電を組み合わせた次世代E-Bikeだ。最大約120km相当の走行と最大60Wの給電を可能にする、その実力に注目したい。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
「走る」だけじゃない! Solar E-Bikeは移動する電源になる
電動アシスト自転車は便利だが、気になるのがバッテリー残量である。走れば当然ながら電力を消費し、充電のタイミングを考えなければならない。そんなE-Bikeの常識に一石を投じるのが、HelioXの「Solar E-Bike」だ。
2026年8月20日に発表された同モデルは、高効率太陽光発電、電動アシスト、外部給電システムを融合したプロトタイプ。最大のポイントは、走行用の電力を太陽光から補充できることにある。
車載バッテリーだけでの航続距離は約80km。さらに晴天時には、太陽光によって1日最大約40km走行相当の電力を発電・補充電できるという。満充電状態から太陽光による補充を組み合わせた場合、晴天時には最大約120km相当の走行が可能とされている。
もちろん「120km走れる」と単純に考えてはいけない。発電量や航続距離は、天候、季節、日射条件、アシスト設定、地形、積載量、走行環境などによって変動する。とはいえ、日常の移動距離が太陽光による補充電量の範囲に収まるのであれば、コンセントからの充電頻度を抑えられる可能性がある。
そして、クルマ好きにも気になるのがもうひとつの機能だ。Solar E-Bikeは、車載バッテリーと太陽光パネルを利用した最大60Wの外部給電に対応する。
スマートフォンの充電はもちろん、ノートPCや衛星通信機器、LED照明、ポータブルファン、小型の医療機器などへの給電を想定。つまり、単なる「移動手段」から、電気を運ぶモビリティへと役割を広げているのである。
さらにユニークなのが、オプションとして用意される着脱式の「Solar Box」だ。車体から取り外して使用できるため、E-Bike本体が物資の搬送や見回りに出ている間、Solar Boxを避難所や救護所などに置いて、太陽光発電・給電を続けるといった運用が想定されている。
ここにHelioXが掲げる「フェーズフリー」という考え方がある。防災用品は、普段は使わずに保管しておくものになりがちだ。しかしSolar E-Bikeなら、通勤や買い物、送迎などの日常利用そのものが、非常時への備えにもつながる。
通勤から防災まで幅広い用途を想定
個人向けだけでなく、法人・自治体・シェアリング事業者向けの展開も予定されている。観光地のシェアモビリティ、フードデリバリー、自治体職員の公用車、大規模施設の巡回など、平時の用途を持たせながら、災害時には移動・見回り・電源供給・物資搬送を担うという発想だ。
製品は現時点では「プロトタイプ想定値」とされており、価格や量産モデルの詳細などは今後の展開を待ちたいところ。それでも、太陽光で走行用電力を補い、さらに電気そのものを運べるという発想は興味深い。
クルマでもEVやPHEVの給電機能が注目されるなか、「自転車も移動する電源になる」という方向性は、モビリティと防災の関係を考えるうえで面白い存在だ。
なお、Solar E-Bikeの完成プロトタイプは2026年8月21日に東京都港区のベクトルスタジオで開催された「イニシャル・防災エキスポ2026」にて初公開され、太陽光による補充電や最大60Wの外部給電、Solar Boxのデモンストレーションが実施される予定だ。

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