日産自動車大学校の学生たちの結晶も宿る
そして今回、ひときわ心に残ったのは、日産自動車大学校の学生たちも製作チームに加わったことだった。全国5校から各2名。整備士を目指す学生たちが、日程を分けてリリーフカーのプロジェクトに参加。車体のカットをはじめ、担当できる製作作業を分担した。
普段の実習でも、リリーフカーに触れる機会などまずない。まして、自分の手を加えたクルマが、プロ野球のマウンドへ投手を送り届けるのだ。
現場からは、思いがけない機会を喜び、笑顔で作業に向き合う学生たちを高評価。そして、参加者の学生たち、単なる思い出づくりだけでは終わっていなかった。
「学生たちみんな優秀で、伝えたことに対しては素直に聞いてくれました。手先も器用で、すごく助かりました」。製作を担った現場から上がった率直な言葉である。限られた時間で特別な1台を仕上げていく。そのなかで学生たちは、教わるだけでなく、つくり手の一員として力になっていた。
覚えた技術が、誰かの役に立つ。手を動かした先に、人の笑顔がある。整備士という仕事の喜びを、いつもとは違う形で感じられたのではないだろうか。
いつか彼らが実際に整備の現場に立ち、テレビにこのリーフが映ったら。「あのクルマ、自分も携わったんです」。そんな会話が生まれるかもしれない。投手を乗せて走る姿は、自分の仕事を少し誇らしく思える風景にもなるはずだ。
新たなリリーフカーで最高のパレードランを
9月8日終了時点で、横浜DeNAベイスターズはセ・リーグで3位。日本シリーズにつながるクライマックスシリーズの出場圏内にいる。2024年には同じ3位から駆け上がり、日本一に輝いた。あの歓喜を知るチームだからこそ、もう一度と願わずにはいられない。
再び頂点をつかみ、横浜の街を埋める人々の前を、このリーフで進んでほしい。マウンドへ向かう緊張の横顔が、その日ばかりは、ほどけた笑顔に変わる。車体に手を添えた学生たちも、きっと胸を張ってその姿を見つめるだろう。
その光景を見るために、今日もプレーボール。



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