新N-BOXを打ち負かすライバルはいるか!? 最新軽ベスト5
■1位 ホンダ N-BOX
ランキングの1位はN-BOXだ。新型は後輪にもスタビライザーを装着して走行安定性の底上げを図り、ショックアブソーバーの減衰力は先代型よりも少し下げて乗り心地を向上させた。
カーブを曲がる時にはボディが大きめに傾くが、挙動の変化が穏やかに進むから不安定な状態には陥りにくい。登坂路を除けば静粛性も優れ、シートは座面の奥行寸法を10mm増して座り心地も柔軟にした。走行性能や快適を向上させたことも注目される。
さらに軽自動車は長距離移動で疲れやすいといわれるが、N-BOXは車間距離を自動制御できるクルーズコントロールを装着した。疲労がある程度は軽減され、これも快適性と安全性を高める。
先代N-BOXは機能が居住性と積載性に偏っていたが、新型はバランスを整えた。この点も評価されたポイントだ。
■2位 スズキ ワゴンR
2位はワゴンR。スライドドアが備わらずN-BOXに比べると車内は少し狭いが、4名乗車は十分に快適で実用性も優れている。後席の背もたれを前方に倒すと座面も下がって広く平らな荷室になり、前後スライドも含めて左右分割式だ。
全高が1700mm以下の軽自動車で、このようなシートアレンジが行えるのはスズキのワゴンRとハスラーのみになる。
ワゴンRは先代型で大幅な軽量化を図り、現行型も改善を加えたから、売れ筋になるハイブリッドFZの車両重量は790kgだ。ライバル車に比べて30〜60kg軽い。
そのために自然吸気のノーマルエンジンでも動力性能に余裕があり、マイルドハイブリッドを採用するFZはJC08モード燃費が33.4km/Lに達する。全高が1600mmを超える軽自動車では最良の数値となった。
実用的な軽自動車が必要な時は、まずワゴンRを検討して、車内の広さや装備に不満があった時に、全高が1700mmを超えるN-BOXなどに選択肢を広げるといいだろう。このような選び方が可能なほど、ワゴンRは機能のバランスが優れる。
■3位 ダイハツ ミライース
3位はミライース。今の軽自動車はN-BOXを筆頭に機能や装備を充実させたが、軽自動車規格の本質は、多くの人達が車の所有を可能にする「低燃費と低価格」だ。
そのためにボディサイズや排気量を制限して税額を安く抑えた。ミライースの車両重量は先進的な緊急自動ブレーキなどを装着しながら670kgに抑えられ、JC08モード燃費は実走行に配慮した上で売れ筋グレードが34.2km/lになる。
全高は空気抵抗を低減すべく1500mmとしたから立体駐車場も使いやすい。その割に後席には余裕があって4名乗車時でも窮屈感はなく、価格は実用装備を充実させた売れ筋のX・SAIIIが108万円と安い。
■4位 スズキ ハスラー
4位にはハスラーを選んだ。車内の広さとシートアレンジはワゴンRと同等に広く、ファミリーカーとしても使いやすい。
そのいっぽうで外観はSUV風に仕上げられ、広い荷室には汚れを落としやすい処理を施した。実用性と楽しい雰囲気を両立させてレジャーにも使いやすい。
車両重量は装備を充実させたXでも800kgと軽く、マイルドハイブリッドの採用でJC08モード燃費は32km/Lに達する。XとXターボに採用される緊急自動ブレーキは、2個のカメラを使う方式だから歩行者の検知を含めて安心感が高い。
■5位 ダイハツ タント
5位はタント。N-BOXが新型になり競争関係では不利になったが、乗降性は抜群だ。左側のセンターピラー(柱)はスライドドアに埋め込まれ、前後のドアを両方ともに開くと、開口幅が1490mmとワイドに広がる。
助手席の背もたれにはアシストグリップも装着され、同乗者が体を捩らずに乗り込んで後席に座れる。
高齢者にも優しく、福祉車両の機能を併せ持つ。助手席の背もたれを前方に倒すと背面をテーブルとして使えるなど、子育て世代を対象にした機能も豊富だ。緊急自動ブレーキは2個のカメラを使って安全性能を向上させた。
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このように、タントが優れた機能を備えることで、N-BOXがホンダセンシングの採用などを含めて渾身の開発を行った面もあるだろう。
軽自動車は日本のユーザーをターゲットに激しい競争を展開しており、互いに刺激を受けながら商品力を著しく向上させている。多くのユーザーの共感を呼び、ますます人気の高いカテゴリーに成長していくだろう。
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