STI SPORTはヤンチャになったBRZ
対するSTI SPORTはSTIの十八番といっていいフレキシブルVバーやフレキシブルドロースティフナーを装備。足回りはこちらもザックスを採用したが、専用セットとなっていた。
タイヤは前後ともに215サイズの18インチ。タイヤ銘柄はGRと同様のミシュラン・パイロットスポーツ4。GRに比べれば変更点はこれくらいで、リーズナブルに仕立てられていた。
しかし、走り始めればGRとはまるで性格が異なりハードな方向性だった。ロール剛性を高めてかなり引き締められた感覚であり、ハーシュネスも大き目の印象だったのだ。
もちろんそこには18インチの採用も要因としてあるだろうが、鋭さは際立っていた。どちらかといえば、フラットな路面を得意とするタイプだ。ドロースティフナーを装着したことで、ステアリングの切りはじめからのリニアさが備わっていた。
ブレーキは基本的な部分での変更はなく、あくまで踏力に応じてGが高められるイメージ。GRに比べるとフロントのダウンフォースは少なく、安定方向重視のBRZの考えは変わらず。
総じて言えることは、ちょっとヤンチャになったBRZ。ちょっと86寄りになったということかもしれない。
86、BRZとも違うテイストを生み出した
ともにまったく異なるアプローチを行い、頂上を目指した86とBRZ。切磋琢磨したこの8年は実に面白い戦いだったと感じている。
結果として近づいたかに思える2台だが、やはりどこか違うテイストを生み出したことは、日本車にとって、そして日本人にとって財産だったと感じている。
トヨタとスバルが持つ老舗の味が、最終的に86とBRZに確実に受け継がれている。
いまスバルは企業別平均燃費規制(CAF?)という壁が立ちはだかり、次期BRZを誕生させられないかもしれないという噂が出ている。
だが、そこを何とか乗り越え、これまで戦い続けてきた86とBRZの戦いを継続してほしい。互いの味を支持してきたファンを裏切らないためにも。
コメント
コメントの使い方