似て非なる双子車 86&BRZは初志貫徹で進化を続けた!!

STI SPORTはヤンチャになったBRZ

 対するSTI SPORTはSTIの十八番といっていいフレキシブルVバーやフレキシブルドロースティフナーを装備。足回りはこちらもザックスを採用したが、専用セットとなっていた。

 タイヤは前後ともに215サイズの18インチ。タイヤ銘柄はGRと同様のミシュラン・パイロットスポーツ4。GRに比べれば変更点はこれくらいで、リーズナブルに仕立てられていた。

STIが手掛けたモデルとして特別仕様車のtSもあったが、STI SPORTはBRZの最上級グレードとして2017年に追加された
STIが手掛けたモデルとして特別仕様車のtSもあったが、STI SPORTはBRZの最上級グレードとして2017年に追加された

 しかし、走り始めればGRとはまるで性格が異なりハードな方向性だった。ロール剛性を高めてかなり引き締められた感覚であり、ハーシュネスも大き目の印象だったのだ。

 もちろんそこには18インチの採用も要因としてあるだろうが、鋭さは際立っていた。どちらかといえば、フラットな路面を得意とするタイプだ。ドロースティフナーを装着したことで、ステアリングの切りはじめからのリニアさが備わっていた。

86GR SPORTが17インチタイヤだったのに対し、STI SPORTは18インチを採用。ロール剛性も高められ、引き締められた印象
86GR SPORTが17インチタイヤだったのに対し、STI SPORTは18インチを採用。ロール剛性も高められ、引き締められた印象

 ブレーキは基本的な部分での変更はなく、あくまで踏力に応じてGが高められるイメージ。GRに比べるとフロントのダウンフォースは少なく、安定方向重視のBRZの考えは変わらず。

 総じて言えることは、ちょっとヤンチャになったBRZ。ちょっと86寄りになったということかもしれない。

86、BRZとも違うテイストを生み出した

 ともにまったく異なるアプローチを行い、頂上を目指した86とBRZ。切磋琢磨したこの8年は実に面白い戦いだったと感じている。

 結果として近づいたかに思える2台だが、やはりどこか違うテイストを生み出したことは、日本車にとって、そして日本人にとって財産だったと感じている。

 トヨタとスバルが持つ老舗の味が、最終的に86とBRZに確実に受け継がれている。

 いまスバルは企業別平均燃費規制(CAF?)という壁が立ちはだかり、次期BRZを誕生させられないかもしれないという噂が出ている。

 だが、そこを何とか乗り越え、これまで戦い続けてきた86とBRZの戦いを継続してほしい。互いの味を支持してきたファンを裏切らないためにも。

早ければ2021年春のデビューが噂されている新型86/BRZ。8年間にわたる初代の切磋琢磨が生かし、FRスポーツの第2ステージに突入する
早ければ2021年春のデビューが噂されている新型86/BRZ。8年間にわたる初代の切磋琢磨が生かし、FRスポーツの第2ステージに突入する

【画像ギャラリー】86/BRZの8年間にわたる地道な切磋琢磨の歴史をフラッシュバック!!

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