キャパで苦戦後に成功したホンダモビリオ
販売期間:2001~2008年
キャパはコンパクトハイトワゴンとして1998年にデビュー。当時ホンダが掲げていたJムーバーの第1弾として登場した。
内外装の質感は高く、室内スペースもゆったりとしていたので、ポストセダンのファミリーユースをも狙ったモデルだった。
しかしほぼ同時に日産が初代キューブをデビューさせた。キューブはクルマの出来はお世辞にもいいとは言えなかったし、リアは2人乗りで乗車定員は4名となっていたため、キャパの圧勝と思われていたが、予想を覆しキューブの圧勝となった。
キャパの最大の敗因は価格設定にあり、キューブより数万円高いだけだったが、ユーザーは安いキューブを選んだ。コンパクトカーの価格設定のシビアさを改めて感じさせてくれた一件だった。
キャパで痛い目に遭ったホンダは、キャパの後継モデルを出すにあたりガラリとコンセプトチェンジし、コンパクト3列シートミニバンのパイオニアであるモビリオを登場させた。
フィットとプラットフォームを共用するため、センタータンクレイアウトの強みを生かして全長4m少々ながら、3列シート7人乗りという武器が与えられた。3列目はエマージェンシー以上の使い勝手を誇った。
ユーロトラム(路面電車)をモチーフとしたデザインは首をかしげたくなるが、唯一無二の存在だったことが大きい。
トヨタがシエンタを登場させ、2代目キューブにも3列シート7人乗りのキュービックが追加されるなど、ライバルに影響を与えた。
初代フィット、モビリオの成功を考えると、センタータンクレイアウトという飛び道具の凄さを再確認させられる。
レビューで苦戦後に成功した初代マツダデミオ
販売期間:1996~2002年
マツダは1990年代の頭に5チャンネル制を採用。そんななかレビューはオートザム店扱いのコンパクトカーで、大ヒットモデルとなったフォードフェスティバ(マツダはオートラマ店で販売)のプラットフォームを使用。
レビューはハッチバックではなく、極端に短いトランクを持つセダンボディを採用し、丸みを帯びたデザインが与えられた。
しかし、ライバルと差別化するセダンボディも中途半端感は否めず、販売面で苦戦。フェスティバで人気になったキャンバストップを設定したが苦境を打開することはできなかった。
2代目レビューとして開発されていたのが初代デミオだった。オートザム店の消滅により、オートザムレビューからマツダレビューに車名変更となったことを受けて、デミオというまったく別グルマとして登場したのだ。
初代デミオはレビューから一転してコンパクトハイトワゴンというコンセプトで登場。
小さなボディながら広い室内やシートのフルフラット機能で車中泊も可能な点を売りにしていたが、特別に凄いものをもっているわけでのないのに成功したのは、潔いまでの割り切りにあるのではないか。
今考えても初代デミオはチープだ。デビュー当時はリアハッチのオープナーすら省略されていて、車内からしか開けることができなかった。
しかし、雰囲気がいいデザイン、広い室内、使い勝手に優れているという魅力が、チープというネガを上回ったということだ。
デビュー時にイメージキャラクターとしてNBAのシカゴブルズのスコッティ・ピッペン選手を起用したのもインパクト抜群で、販売に大きく貢献したと思われる。
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