売れなかった先代から大逆転ホームラン メーカーの救世主となった車 5選

セフィーロ苦戦後に成功した初代ティアナ

販売期間:2003~2008年

キャビンが大きい5ドアハッチバックのようなデザインが特徴の初代ティアナ。車格は立派だったが、価格設定が安かったのも人気の要因
キャビンが大きい5ドアハッチバックのようなデザインが特徴の初代ティアナ。車格は立派だったが、価格設定が安かったのも人気の要因

 日産は2003年にミドルクラスFFセダンのセフィーロと同FRセダンのローレルという重要なモデルを2車種廃止している。

 その2車種マーケットを継承する世界戦略車として初代ティアナはデビュー。FFセダンということから、実質はセフィーロの後継車と言っていい。実際に香港などでは、初代ティアナはセフィーロの車名で販売されている。

 3代目セフィーロは広々とした後席を持ったFFセダンだったが、セフィーロを積極的に選ぶ魅力に欠けていたことが苦戦の要因だった。

FRの初代、FF化された2代目の後を受けて登場したセフィーロ。FFセダンゆえ室内は広かったが、積極的に選ぶ魅力に欠けた
FRの初代、FF化された2代目の後を受けて登場したセフィーロ。FFセダンゆえ室内は広かったが、積極的に選ぶ魅力に欠けた

 その点、初代ティアナはインテリアに並々ならぬこだわりを見せた。自動車に高級リビングとアピールしていたが、実際にその雰囲気、仕上げにユーザーの満足度は高かった。

 そして2.3Lモデルなら235万~252万円というライバルに比べてかなりリーズナブルな価格設定(デビュー時)も重要だ。高級のあるセダンが安価に購入できるということもユーザーの食指を大きく動かしたというわけだ。

初代ティアナのインテリア。今でこそ凝ったインテリアのクルマが増えているが、素材、デザインへのこだわりは強く、ユーザーの満足度も高かった
初代ティアナのインテリア。今でこそ凝ったインテリアのクルマが増えているが、素材、デザインへのこだわりは強く、ユーザーの満足度も高かった

エアトレックで苦戦後に成功した初代アウトランダー

販売期間:2005~2012年

スッキリした都会的な雰囲気のSUVとして登場した初代三菱アウトランダー。スポーティなムードがユーザーから支持された
スッキリした都会的な雰囲気のSUVとして登場した初代三菱アウトランダー。スポーティなムードがユーザーから支持された

 三菱エアトレックは、2001年にステーションワゴンにSUVテイストを加えたクロスオーバーSUVとしてデビュー。この当時の日本車ではほかにないキャラクターが与えられた。

 エクステリアは異形4灯ヘッドライトという当時のトレンドを取り入れてスッキリとまとめられていた。

 しかし、デビューから時間が経過すると新鮮味を失い、どっちつかずの印象がぬぐえなくなり販売面で低迷してしまう。SUV色の強いスポーツギアを追加したが奏功せず。

 そのエアトレックの後継モデルとして登場したのが初代アウトランダーだ。実はエアトレックは海外ではアウトランダーという車名で販売されていたのだが、日本で販売された初代アウトランダーはデザインコンシャスなSUVとして登場。

ステーションワゴンとSUVのクロスオーバーという当時では斬新なコンセプトだったが、ユーザーには中途半端に映ってしまったようだ
ステーションワゴンとSUVのクロスオーバーという当時では斬新なコンセプトだったが、ユーザーには中途半端に映ってしまったようだ

 このシャープで都会的なエクステリアはユーザーからの評価が高く、ミドルクラスSUVの人気モデルとなった。

 そして見た目は都会的ながら、全体的に堅実かつ三菱伝統のオフロード性能が与えられている点も人気の要因となったことは言うまでもない。2005年にデビューしてから2012年まで、三菱のロングセラーSUVとなったのだ。

 あと、当時としては珍しく3列シート7人乗りをラインナップ(最終的には7人乗りのみとなる)。多人数を乗せなきゃいけないが、ミニバンは嫌というユーザーにとっては貴重な存在だった。

アウトランダーは2列シート5人乗りと3列シート7人乗りをラインナップ。これは現行のアウトランダーにも継承されている
アウトランダーは2列シート5人乗りと3列シート7人乗りをラインナップ。これは現行のアウトランダーにも継承されている

【画像ギャラリー】大逆転ホームランをかっ飛ばした救世主車の飛び道具を全部見せます!!

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