レクサスがブランド最小ハッチバックの「CT」を一部改良。同モデルは2011年に発売されており、9年目を迎えて異例の改良となった。
レクサスCTの2019年販売台数は2344台と、セールス面でも厳しい状況となっているが、果たして次期モデルは存在するのか、まだ確定的な情報はないものの、今後については、いくつかの“シナリオ”があるようだ。
以下、遠藤徹氏が解説する。
文:遠藤徹
写真:LEXUS
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「9年目の改良」からにじむ意図とCTの現状
トヨタのプレミアムブランドであるレクサスのコンパクトハッチバック「CT200h」が8月20日に一部改良し、受注活動を開始した。
今回は安全対策強化が中心で、これまでメーカーオプションだった「レクサスセーフティシステムプラス」のオートマチックハイビームを標準化するなど、安全対策を強化している。
ただ、コンパクトSUVの「UX200、UX250h」は、さらに進化した「プリクラッシュセーフティ」、「レーントレーシングアシスト」、「アダクティブハイビームシステム」、「パノラミックビューモニター」などをオプションないしは標準装備しており、CT200hの安全対策での出遅れ感は否めない。
現行CT200hの発売は2011年1月12日で、すでに9年8か月が経過している。プラットフォーム&基本コンポーネントはプリウスの前モデルと共用している。こちらは2015年12月9日にフルモデルチェンジし、現行モデルに引き継いでいるが、CT200hはまだ世代交代していない。
モデルを一新しないとUXのような「レクサスセーフティセンスプラス」の進化バージョンであるデバイスの装備は難しいとの事情があり、今回のような中途半端ともいえる一部改良&安全対策強化にとどめざるを得なかったようだ。
モデルチェンジならUXベース? 次期型を巡る3つの説
次期型はどうなるのか。現時点ではさまざまな憶測が流れている。
「現行UXをベースにしたハイブリッド専用のコンパクトハッチバックとして2022年前半に世代交代する」、「現行モデルのまましばらく販売を継続した後、モデル廃止とする」、「まったく異なる次世代モデルを開発する」などの諸説である。
最も有力なのは、UXベースのハイブリッド専用の5ドアハッチバックモデルに引き継ぐことである。
UXハイブリッドは、新開発の2Lエンジンとニッケル水素バッテリーを組み合わせてパワーユニットを仕立てているわけだが、次世代CTは従来の1.8Lから、2Lに排気量を拡大し、新開発のコンパクト&高効率のリチウムイオンバッテリーでパワーユニットを仕立てる。
2Lであるから名称は「CT200h」から「CT250h」に変更することになる。プラットフォームは、次世代レクサスのクルマ作りを志向した「LNGAプラス」に基づく世代交代となる。駆動方式とトランスミッションは引き続き2WD、4WDにCVTとの組み合わせとなる。CT200hは2WDのみだが、後継モデルは4WDもラインナップする。
プリウスは国産を代表する最高の低燃費と走りのポテンシャルの高さの両立を追求し、スタイリッシュな空力ボディでまとめているが、レクサスCT200hの次期型はプレミアムな「ハイクオリティ&スポーティコンパクトハッチバック」のコンセプトとなるはずだから、燃費よりも走りに振ったクルマづくりを志向することになりそうだ。
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