新型レクサスIS 11月4日発売確実!! 7年目のビッグマイチェンで巻き返せるか?

新型レクサスIS 11月4日発売確実!! 7年目のビッグマイチェンで巻き返せるか?

 レクサスのミドルセダン、新型ISの発売日が、筆者の取材により、2020年11月4日となることがわかった。

 すでに新型レクサスISは、2020年6月16日に世界に向けて発表されているが、見た目が大きく変わり、一見するとフルモデルチェンジに見えるが、実はビッグマイナーチェンジモデルとなる(プレスリリースには大規模マイナーチェンジと記載)。

 レクサスISの現行モデルは2013年に発売、登場7年目にして、2016年以来となるマイナーチェンジだ。

 さて、流通ジャーナリストの遠藤徹氏がビッグマイナーチェンジしたレクサスISの最新情報を徹底調査! 今わかっているすべての情報をお届けしよう。


文/遠藤徹
写真/トヨタ

【画像ギャラリー】旧型からどこが変わったのか? 新旧レクサスISを写真でチェック!


かつてないほどの大がかりなビッグマイナーチェンジ

マイナーチェンジといえ、スポット溶接の打点数追加や構造用接着剤の積極使用など、重量増を抑えつつボディ剛性を全般的にアップしている
マイナーチェンジといえ、スポット溶接の打点数追加や構造用接着剤の積極使用など、重量増を抑えつつボディ剛性を全般的にアップしている

 レクサスのミドルセダン、新型ISの発売日が、2020年11月4日になることが判明した。

 一見すると、フルモデルチェンジかと思うエクステリアだが、4枚のドア以外のボディパネルをすべて設計変更し、内装も刷新、クオリティアップを図っている。

 登場から7年目なのに、なぜフルモデルチェンジではなくビッグマイナーチェンジなのか? 

 やはりSUV全盛でセダン市場が厳しい状況のなか、台数が見込めないから大幅改良にとどまった、というのが真相。

 とはいえ、ボンネット/ドア/ルーフ/フェンダー/トランクといった外板パネルはすべて新規であり、現行モデルからの流用部品はフロントウインドウくらいという、これまで聞いたことのないほど大がかりなものだ。

 エクステリアデザインは、より低く、そしてワイド&ローのスタイル、クーペのようなプロポーション、大径タイヤを活かしたデザインを目指したという。

 開発者が「もし、世の中がセダン全盛であれば、これほどまで大胆なデザインにはしなかった」というほど、アグレッシブなエクステリアだ。

新型ISのボディサイズは全長4710×全幅1840×全高1435mmで、現行モデルと比べると全長、全幅が+30mm、全高が+5mm大型化
新型ISのボディサイズは全長4710×全幅1840×全高1435mmで、現行モデルと比べると全長、全幅が+30mm、全高が+5mm大型化
写真は現行モデル(2019年9月に登場した特別仕様車I Blue)
写真は現行モデル(2019年9月に登場した特別仕様車I Blue)

 ボディサイズは全長4710×全幅1840×全高1435mmで、現行モデルと比べると全長、全幅が+30mm、全高が+5mm大型化されている。

 全長に関してはバンパーを大型化することで長くするケースは多くみられるが、全幅を30mm拡幅するのはマイナーチェンジとしては異例といえる。

 スピンドルグリルは両下部の部分が現行は、直線的な八の字ラインだったのが、湾曲させた新しいデザイン処理としている。

 グリルは横線基調から、より高級なハニカムタイプを採用。ヘッドランプは従来の二眼から横長のシャープな三眼LED式に変えている。リアのコンビランプは左右に独立したデザインから横長の一体的な視認性のよいLEDを採用。

新型ISのリア回りのデザインは現行モデルと大きく違う。ここまで激変させるのは珍しい
新型ISのリア回りのデザインは現行モデルと大きく違う。ここまで激変させるのは珍しい
現行モデルのレクサスIS
現行モデルのレクサスIS
新型ISの個性といえるのがトランクリッド。カム成型と呼ばれる独自のプレス成形技術により、1打のプレス工程で「寄せる」「絞る」の加工を行うことでシャープなエッジを生み出している
新型ISの個性といえるのがトランクリッド。カム成型と呼ばれる独自のプレス成形技術により、1打のプレス工程で「寄せる」「絞る」の加工を行うことでシャープなエッジを生み出している

 室内はデザイン自体の変更はないが、トリムアッパーまで2トーンカラー化し、マルチメディアシステムに10.3インチのタッチディスプレイを新たに採用、スマートフォンと連携させることにより利便性を高めている。

 ドアトリムの一部にはエンボスを施した、クラフトマンシップとテクノロジーの融合によるレクサスの新しい加飾表現としている。

 電動パーキングブレーキは作動と解除をスイッチ操作だけで行える。ステアリングホイールははっきりとした強い木目が特徴のアッシュ材を採用。車室内を快適な空気環境にする「ナノイーX」を装備。

エクステリアに比べるとほとんど変化のないコクピット。とはいえセンターディスプレイはタッチ式となり、ダッシュボードの断面形状も変更。左右のエアコン吹き出し口は長方形から円形になるなど細かな変更が行われている
エクステリアに比べるとほとんど変化のないコクピット。とはいえセンターディスプレイはタッチ式となり、ダッシュボードの断面形状も変更。左右のエアコン吹き出し口は長方形から円形になるなど細かな変更が行われている

 グレード構成は、350Fスポーツ、300hバージョンL、300h Fスポーツ、300 バージョンL、300 Fスポーツ、特別仕様車のFスポーツ・モードブラックなど、合計9グレード(2WD)となる。


■レクサスISの主な改良の内容
■最新のエクステリアデザインを採用し、全長、全幅を+30mm、全高を+5mm大型化
■ボディ剛性をアップすることで運動性能も高めるとともに、ノイズや振動を徹底的に排除
■新デザインの19インチホイールを採用し、ホイールの締結にハブボルトを使用することで走行性能を向上
■バネ下重量の軽減およびスウィングバルブショックアブソーバーの採用により、上質な乗り心地を実現
■FスポーツにトルセンLSDを採用
■10.3インチタッチ対応ディスプレイを搭載。スマートデバイスリンク、アップルカープレイ、アンドロイドオートに対応
■2.5Lハイブリッド、2Lターボモデルのチューニングを変更し、リニアなレスポンスを実現
■電動パーキングブレーキを採用
■機能を大幅に強化した安全システム「レクサスセーフティシステム+」を採用
■ボディカラーに新規カラー、ソニックイリジウム、ソニッククロム、F SPORT専用色ラディアントレッドコントラストレイヤリングを設定

 新型ISでは、19インチタイヤを採用することでコーナリングフォースを大幅に向上。

 さらにホイールの締結にハブボルトを採用することで、締結力の強化と質量の低減を図り、気持ちの良いハンドリングとブレーキングを可能とした。

 足回りはバネ下重量を軽量化するとともに、ショックアブソーバーのオイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させるスウィングバルブショックアブソーバーを採用。

 このスウィングバルブショックアブソーバーは、レクサスESやマークX“GRMN”にも採用されたものと同じだ(KYBの技術)。

 ダンパーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性に優れ、上質な乗り心地を提供する。


■新型ISに搭載されるパワーユニット
■IS350
3L、V6:318ps/6600rpm、38.7kgm/4800rpm
■IS300h
2.5L、直4+モーター、178ps/6000rpm、22.5kgm/4200~4800rpm(エンジン)+143ps/30.6kgm(モーター)
■IS300
2L、直4ターボ、245ps/5800rpm、35.7kgm/1650~4400rpm

 特別仕様車の350/300のFスポーツ・モードブラックの専用装備は、19インチ鍛造アルミホイール、ドアミラー、アッシュ+ディンプル本革ステアリングメーターオープニングなどを装備し、ブラック塗装が特徴となっている。

 安全装備としては、新型ISには最新のレクサスセーフティシステム+が搭載されていることがトピックス。

 このシステムは、単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能なプリクラッシュセーフティの対応領域を拡大し、交差点右折前に前方から来る対向直進車や右左折時に前方から来る横断歩行者の検知にも対応。

 ドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援や低速時の事故予防をサポートする低速時加速抑制などの機能も追加されている。

 また、自動車専用道路などで、設定した車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御するレーダークルーズコントロール、同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能、レーントレーシングアシスト(LTA)」の車線認識性能を向上している。

 LTA作動時、カメラによる白線認識にAI技術を活用し、カーブの大きさに合わせてあらかじめ減速。カーブ走行時の横Gを常に一定にすることで、安定した快適な走行と、より半径の小さなカーブやトンネル内でも途切れの少ない運転支援が可能になっている。

 そのほか、オートマチックハイビーム(AHB)、ロードサインアシスト(RSA)、ドライバー異常時停車支援システム(LTA連動型)、パーキングサポートブレーキ、パノラミックビューモニターなどを採用することで、安全性が強化されている。

 ボディカラーはソニッククオーツ、ソニックチタニウム、ソニッククロム、ソニックイリジウム、グラファイトブラックガラスフレーク、レッドマイカクリスタルシャイン、セレスティアルブルーガラスフレーク、ヒートブルーコントラストレイアリング、ホワイトノーヴァガラスフレーク、ラティアントレッドコントラストレイアリングの合計10色。

 ただし、ソニッククオーツ、レッドマイカクリスタルシャイン、セレスティアルブルーガラスフレークの3色はFスポーツには設定できない。

 ヒートブルーコントラストレイアリング、ホワイトノーヴァガラスフレーク、ラディアントレッドコントラストレイアリングの3色はFスポーツ専用色。インテリアカラーとシート表皮材質はグレードによって分けられている。

次ページは : 気になる価格は現行モデルからの10万円アップ

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