圧倒的に優れたドライバビリティと拡張性
ホンダの2モーターと日産e-POWERは似たシステムで、これまた技術を磨くことによりトヨタのハイブリッドに匹敵する燃費を稼げるようになることだろう。
なかでも気合い入っているのが日産だ。ホンダの場合、まだ2モーターを主役に据えることまで考えていない。日産は次世代の主力パワーユニットにしようとしてます。
参考までに書いておくと、現在採用されている1200cc、3気筒エンジンを使うe-POWERは、日本市場向けにチョイチョイと作った”間に合わせ”である。
燃費に決定的な影響を持つ発電用のエンジンも凝った技術の投入なく、普通のガソリン車の改良版。モーターだってリーフ用を流用したものだ。日産渾身の作にほど遠い。それでも高い評価を受けた。
なぜか? 燃費こそトヨタのハイブリッドに届かなかったものの、アクセル開けた時のドライバビリティが圧倒的にいいためだ。アクアとノートe-POWERを乗り比べたら、誰だってノートe-POWERに軍配を上げることだろう。
しかもセレナ級の大きくて重いボディのミニバンまで、1200cc、3気筒エンジンで過不足なく走らせてしまう。凄いです!
トヨタのハイブリッド超えも可能
現在開発中のe-POWERは、日産が持つ技術をフルに投入。本腰を入れて開発されている。
例えば発電用エンジンなど熱効率50%を目指しているらしい。発電用エンジンだと割り切れば、極端な話、2000回転以下や4000回転以上など不要。高回転域も低速トルクも必要なし。最も効率のいい回転域で発電機を駆動すればいい。
柔らかいバルブスプリングや、高い圧縮比により熱損失を極力減らすことだって可能。現在e-POWERで使っている1200cc、3気筒エンジンは熱効率35%がやっとだと思う(熱効率を極限まで追求したスカイアクティブXで最高43%くらい。トヨタのハイブリッド用で41%程度だと言われる)。
熱効率50%を実現したらどうなる?
e-POWERでトヨタ式ハイブリッドの実用燃費に肉薄できると思う。いや、走行速度域が低ければトヨタを凌ぐことさえ不可能じゃないだろう。
また、コスト的にも有利。トヨタ式ハイブリッドで必要な「変速機」は不要になるし、エンジンと駆動モーターの場所が自由になるため、クルマ全体でのコスト低減設計も追求できる。
凄さを唸らせるのもそう遠くないハズ
クルマ作りは自由自在。後輪を駆動するスポーツカーだって容易に実現できるし、今後必ず必要になってくるPHVも電池搭載量を増やすだけで簡単に作れてしまう。
発電用エンジンは2つくらいの排気量を用意しておくことで、ノートのようなコンパクトカーから、車重2トン超えのSUVやミニバンまでカバーできてしまう。効率いい。
もう少し具体的に書けば、コンパクトモデル用の小排気量3気筒と、ミドルクラス以上に搭載する2L級の4気筒です。
いずれもターボ過給することで熱効率を上げられるうえ、出力の自由度も出てくる。2L過給なら大柄なミニバンだって余裕で走らせてくれることだろう。次期型エクストレイルは2Lかもしれません。
ここまで読んで「そんな凄いのか?」と信じられないかもしれないが、遠からず皆さん「凄い!」とウナるんじゃなかろうか。
手始めは次期型エクストレイルか次期型ノートになるか解らないけれど、実用燃費のよさとドライバビリティの両立したパワーユニットになるハズ。
もちろん日本だけでなく、世界的に厳しくなる燃費規制に対応していく。
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