規制強化目前で国産スポーツモデルの今後に暗雲?
間もなく規制が強化されることで、燃費が良くない車の存続が危ぶまれている。当然のことながら、自動車文化や各メーカーのイメージリーダーを担ってきたエンジンで動くスポーツモデルは“燃費の悪いモデル”である場合が多い。
果たして、国産スポーツモデルは今後どうなってしまうのか? 実はメーカーの事情によってスポーツモデルが存続できるか否かは大きく異なるようだ。以下、国沢光宏氏が解説する。
文:国沢光宏
写真:トヨタ、日産、スバル、ホンダ、スズキ、平野学、奥隅圭之、茂呂幸正
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トヨタもスバルも全車種の平均燃費を17.6km/Lにしなければならない!?
すでに御存じかもしれないけれど、日本は2020年から、欧州でも2021年からCAFEと呼ばれる厳しい厳しい企業平均燃費規制開始となる。
例えばトヨタなら、トヨタで販売している全車種の平均燃費を、2020年の規制値であるWLTCモードで17.6km/Lにしなければならない。もちろんトヨタだけでなく日産もホンダもスバルも17.6km/Lです。
ここまで読んで「燃費の良いハイブリッド車の多いトヨタも、コンパクトカーやハイブリッド車を持たないスバルも同じか?」と思うだろう。「その通り!」です。
だからトヨタは今になって1600cc過給4WDのGRヤリスを発表した。スープラだってある。スバルの場合、WRX STIやBRZなど受注停止し、絶版モデルとせざるを得なくなったワケ。
こうなると気になるのが現在発売されているスポーツモデルの状況だ。果たして生きのこれるのだろうか。はたまた、2030年から一段と厳しくなる燃費規制(25.4km/L)を考えたら次世代モデルの開発はありえるのだろうか。
以下、モデル毎に状況判断と今後の予想を紹介してみたい。絶版になりそうなら早めに購入をすすめておく。
トヨタと日産を代表するスポーツカーの今後に明暗?
●スープラ
トヨタはCAFEの優等生といってよかろう。コンパクトクラスのハイブリッドカーで圧倒的な燃費を実現しているからだ。RAV4のような重量級モデルすら基準をクリアしている。
したがってスープラの燃費でも全く問題なし! チーフエンジニアの多田さんいわく「燃費は気にするなと言って開発しました」。当面安泰です。
●86/BRZ
スバルの燃費規制が引っかかってきます。だからこそ新型にバトンタッチ出来ず、一旦生産終了になってしまう。
次期型も燃費改良とスバルの平均燃費改善策がセットにならないと販売することは難しいと考えます。「2400ccターボを搭載する」などというウワサも流れているが100%無理。2021年末に燃費の良い新型登場か?
●GT-R
日産の場合、電気自動車やe-POWERで平均燃費を稼げるため、未だ受注を続けられている。CAFEだけを考えるなら、まだまだ売れると思う。
ただし! 2021年から厳しい騒音規制が始まります。こいつをクリアすることは難しい。2021年一杯での絶版は避けられず。新車を買いたいなら2021年の春までにオーダーすべき。
●フェアレディZ
CAFEクリアで大騒ぎしているなか、新型Zが登場してくる! しかも400馬力モデルもあるというから驚きますね!
日産は電気自動車やe-POWERあるから余力あるということなんだろう。少なくとも6年くらい生産されると考えていい。エンジンだけで走る最後の本格的なスポーツカーになるかもしれません。
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